日本三大霊峰 白山に登る (1泊2日・公共交通機関利用)
- 所要時間:
- 1泊2日
- 移動手段:
- バス
富士山、立山と並び、日本三大霊峰のひとつとして名高い白山。
美しい自然や豊かな生態系を誇り、火山活動によって形成された地形や季節ごとに異なる風景が魅力的です。登山道には様々な高山植物が生息しており、四季折々の花々が楽しめるのも特徴です。自然の力と荘厳な美しさを感じさせる白山に登ってみませんか?
写真提供:石川県観光連盟
まずは登山準備!
登山には安全のため入念な事前準備が必要です。
適切な装備の選択、ルートの確認、天候のチェック、食料や水の準備、体力や健康状態の確認をしっかり行いましょう。
白山は登山経験者であれば日帰りでも登ることができますが、金沢発着のバスをご利用の場合は、時間的制限があるため白山室堂に1泊しましょう。
せっかく登るなら降り注ぐような満点の星空や、山岳の神秘を感じられるご来光を拝むなど、ゆっくりと大自然を楽しむことができます。
白山室堂には、個室の「白山雷鳥荘」と、相部屋の「白山室堂」の2つの宿泊施設があり、いずれも事前予約制です。
週末や連休時には特に混雑しますので、早めのご予約をお勧めします。
*宿泊施設についてはこちら
※白山にごみを捨てる場所はありません。ごみ袋を持参し、出たごみは全て持ち帰りましょう。
「金沢駅」西口からバスで「市ノ瀬」へ
登山シーズン中(7月中旬~10月中旬)には、金沢駅から白山山麓の「市ノ瀬」まで急行バスが運行します。
所要は約2時間。途中でトイレ休憩が1回あります。
運行日が限られますので、北陸鉄道バスのホームページを事前にご確認ください。
終点「市ノ瀬」で下車
「市ノ瀬」(標高830m)からシャトルバスで「別当出合」(標高1,260m)まで
別当出合から登山スタート!
白山登山をされる方は条例にて登山届の提出が義務付けられています。
市ノ瀬ビジターセンター・別当出合休憩舎にはバス運行期間 登山届・登山届ポストが設置されていますので必ず提出しましょう(スマートフォンやパソコンからの「オンライン届」も可能です)
シャトルバスは、マイカー規制日(市ノ瀬~別当出合間)に合わせて運行します。シャトルバスは運行日が限られますのでご注意ください(詳細については、下記「シャトルバスの運行について」よりご確認ください)。シャトルバスは20分間隔で運行します。
※シャトルバス運行日以外は、マイカーか徒歩(約6km)での移動となります。
「市ノ瀬」
↓
↓シャトルバス約15分(※運行日注意)
↓
「別当出合」
別当出合(べっとうであい)に着くと、ルートの分岐点(「観光新道」と「砂防新道」)があります。
観光新道は傾斜が急な道が多いため、上り砂防新道、下り砂防新道(エコーライン経由)をおすすめします。
砂防新道
道が整備されており、登山者も多いので登山初心者におすすめ。
砂防新道(約5時間)
緩やかな登山道でのんびり自然を楽しむ
いくつもの白山の登山ルートの中でも、最短で頂上まで登ることが出来るルートです。元々砂防ダム工事の作業道として作られた歩道が登山道として採用されたことから名付けられました。そのため登山道もしっかりと整備されており、途中にトイレや避難小屋、水場があるため初心者やファミリーでも安心!
道中「黒ボコ岩」と呼ばれる火砕流によって山頂から運ばれてきた大きな黒岩があり、山の自然の力強さと荘厳さを感じることが出来ます。
「別当出合」(標高1,260m)
↓
↓ 徒歩約50分(上り)
↓
「中飯場」(標高1,500m)
↓
↓ 徒歩約90分(上り)
↓
「甚之助避難小屋」(標高1,970m)
↓
↓ 徒歩約70分(上り)
↓
「黒ボコ岩」(標高2,320m)
↓
↓ 徒歩約30分(上り)
↓
「白山室堂」(標高2,450m)
中飯場(1,500m)
別当出合から比較的緩やかな坂道を登り約50分で到着します。
ここからは、少し急坂がつづきますので、一息つきましょう。
このあたりの石は、河原にある丸みをおびた石が散見されます。日本列島がユーラシア大陸の一部であった中世ジュラ紀中期から白亜紀前期にかけての「手取層群のれき石」が見られます。
甚之助避難所(1,970m)
中飯場から急坂をのぼること約90分~120分、約2,000mの甚之助避難所に到着しました。
見晴らしのいいテラスで休憩ができます。
トイレや水汲み場もあります。
黒ボコ岩(2,320m)
甚之助避難所から20~30分ほど登ると、エコーラインと黒ボコ岩への分岐点に差し掛かります。
(エコーラインを通って室堂に登るルートもあります。黒ボコ岩へのルートよりは比較的緩やかなルートです。往復でルートを変更してみると白山の違う魅力を楽しむことができるでしょう。)
「十ニ曲」という最後の急坂を上ると、黒ボコ岩に到着!
黒ボコ岩とは、火砕流によって山頂から運ばれてきた火山弾です。
石の色も段々と黒味を帯びてきました。
岩の上で記念撮影!
弥陀ヶ原
目の前には御前峰山頂!
長い道のりを忍耐強く登り続け、黒ボコ岩を過ぎればそれまでの景色とは打って変わって開放的なハイキングコースにたどり着きます。綺麗に整備された平坦な道が続き、路傍にはたくさんの草花が咲き誇り、そこはまるで自然が造り出した庭園のようです。ここまで来たら宿泊場所の白山室堂までは30分!足を休めつつゆっくり向かいましょう。
白山室堂で一泊
山頂まで40分!御前峰に最も近い大型宿泊施設
標高2,450mに位置する室堂平は、白山登山の拠点となる場所で、白山室堂ビジターセンターと白山比咩神社祈祷殿があります。
白山室堂ビジターセンターは、収容人員750名を有する大型の宿泊施設(「白山室堂」「白山雷鳥荘」)の他、館内でお食事や売店でお買い物ができ、登山客のオアシスとして愛されています。
白山比咩神社祈祷殿では、お守りや御朱印を授かることができます。
白山(御前峰・標高2,702m)まで900m、約30分の好立地です。
白山室堂平には、自然観察路が設けられ、季節の高山植物を見ることができます。9月中旬から9月末にかけて、黄葉・紅葉が楽しめます(気象条件により前後します)
晴れた夜には、空一杯に広がる星空を愉しむことができます。
翌日に備えて、ゆっくりお過ごしください。
日の出前にご来光に向けて頂上へ出発します。ヘッドライトをご用意ください。
白山室堂から頂上までは40分!険しい勾配の道を進み頂上に着けば、雄大な雲海を神々しく照らすご来光を拝むことができます。山頂の澄みきった空気を味わい、まるで夢の中のような朝焼けの中で見るご来光は最高の感動体験です。
ちょっと足をのばして お池めぐりコース
白山を隅々まで楽しもう!
御前峰でのご来光を楽しんだら、ぐるっと遠回りをしてお池めぐりコースで下山しませんか?白山山頂にはいくつもの火山湖が点在し、その周りにはたくさんの珍しい高山植物が自生しています。運が良ければオコジョやホシガラスなどの高山動物たちに出会えることも!夏場には自然解説員と一緒に巡るツアーもあります。
観光新道(約4時間)
高山植物と眺望を楽しむ
観光新道も初心者から中級者まで幅広い登山者に人気のあるルートですが、場所によっては急登が多く、岩場がむき出しになっているような道もあるために注意が必要です。
観光新道の特徴は何といっても生息する高山植物の種類の多さです。白山にちなんで名づけられたハクサンチドリや桜のような淡いピンクを帯びた花を咲かせるヅカザクラなど、可憐な花々を愛でながらトレッキングを楽しみましょう。
白山室堂(標高2,450m)
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↓徒歩20分(下り)
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黒ボコ岩(標高2,320m)
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↓徒歩50分(下り)
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殿ケ池避難小屋(標高2,020m)
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↓徒歩50分(下り)
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別当坂分岐
↓
↓徒歩60分(下り)※特に急な坂が続きます
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別当出合(標高1,260m)
なお、体力に自信のない方は、エコーラインから砂防新道に続くルートがお薦めです。エコーラインでは、岩場は少なく、歩きやすい道が続きます。
なんといっても7~8月にかけては、高山植物があちこちで花を咲かせており目を楽しませてくれます。
白山室堂(標高2,450m)
↓
↓徒歩60分(下り)
↓ 弥陀ヶ原
↓ エコーライン
↓ 南竜道
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分岐点
↓徒歩10分(下り)
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甚之助避難小屋(標高1,970m)
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↓徒歩50分(下り)
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中飯場(標高1,500m)
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↓徒歩30分(下り)
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別当出合(標高1,260m)