金沢の伝統工芸の匠に出会う旅「金沢一期一会」
金沢市は、加賀友禅や加賀蒔絵などに代表される伝統工芸品が広く知られています。これらの伝統工芸は、26業種に及んでおり、東京、京都に次いで、人間国宝や伝統工芸士が多い土地柄です。
この金沢に受け継がれた“ほんもの”の工芸文化の魅力を体感して頂く特別な旅が「金沢一期一会」です。
金沢市観光協会では、旅行会社様のご要望にあわせて地元工芸会で活躍する作家や文化施設などと相談し行程づくりのお手伝いをいたします。
お申込みにあたっての留意点
◆お申し込み
・各プランは少人数(概ね10名程度まで)の設定です。事前にご確認の上お申込みをお願いします。
・各作家のスケジュール調整のため、お申込みからご回答までにお時間をいただく場合がございます。
・お申込みは、ご利用日の6ケ月前より可能です。余裕を持ってお申込みをお願いします。
・確実にプラン催行が出来ることを前提としてお申込みをお願いします。
特にプラン催行可否が曖昧な旅行商品につきましては、お引き受け出来ない場合もございます。
・各工房のプラン内容の変更やカスタマイズをご希望の場合は、必ず当協会担当者までご相談ください。
◆コーディネート内容について
・作家や関係施設との調整、予約手配
・各コンテンツの手配に掛かる費用(作家への謝礼、施設使用料、入場料、食事代、諸経費等)の支払い代行
※コーディネート手数料を別途いただきます。
◆注意事項
・本プランは地元のDMCと共同運営をしています。
(共同運営パートナー:株式会社 金沢アドベンチャーズ)
・作家への直接のご連絡は行わないようお願いします。
【お問合わせ】 一般社団法人金沢市観光協会
電話:076-232-5555
担当:遠藤・田代・児玉
【作家紹介】大樋焼 / 十一代 大樋長左衛門(年雄)
大樋焼とその歴史
大樋焼は、およそ360年前に加賀藩主五代・前田綱紀侯が京都より仙叟宗室(裏千家四代)を茶道普及の為に金沢へ招きました。その際、長次郎を始祖とする楽家四代一入の高弟初代長左衞門を京都より同道したことに始まります。それ以来、11代にわたって、茶の湯に用いる茶碗、水指、菓子器など、楽焼とは違った独自の様式の茶道具をつくってきました。大樋焼の特徴は、独特に輝く飴色とその感触です。ほとんどすべての作品はわびさびの理念に沿って、ろくろを使わず手捻りでつくられており、手と唇になじむ感覚があります。
十一代 大樋長左衛門
アメリカ留学で陶芸の基礎を学び、帰国後に父十代大樋長左衛門の薫陶を受ける。伝統の継承とともに、新しい時代を見据え、建築やデザインなど様々な芸術分野を手がけながら、幅広い視野で陶芸における可能性を模索している。ロチェスター工科大学客員教授/上海工芸美術学院客員教授/台湾国立台南芸術大学客員教授/文化庁長官アドバイザリーメンバー/金沢大学客員教授/東京藝術大学講師ほか
ツアー内容
・大樋美術館ギャラリートーク
大樋美術館では、初代長左衛門から現代にいたるまでの大樋焼作品並びに、加賀藩に縁の深い茶道具類を展示しており、ミシュランガイドではプライベート美術館では例のない「一つ星」の認定を受けています。十一代大樋長左衛門が大樋焼の系譜や金沢の茶の湯の世界をお話します。
・大樋家による茶会の体験
大樋美術館のご案内の後、敷地内の松濤庭・折鶴乃松を眺める座敷で、名宝歴代茶盌での呈茶を体験できます。この茶会は大樋家による特別な茶会です。
・受入
人数:15名程度
英語による案内:大樋長左衛門氏本人が英語で案内、説明
大樋ギャラリー買物:クレジットカード利用可 免税対応あり、海外発送可
【作家紹介】加賀友禅 / 毎田健治・仁嗣
加賀友禅の歴史と特徴
日本の民族衣装のひとつである着物。茶の湯や能、踊りといった稽古事が盛んな金沢では、普段でも着物を来ている方を見かけます。着物にはさまざまな種類がありますが、加賀友禅は結婚式やパーティ等の格式の高い場所で着用します。その歴史は古く約550年前にあった「梅染」が起源と言われます。写実的な絵画が特徴で、四季の花鳥風月が主なモチーフです。色彩も豊かで、自然美を巧みに鮮やかに描いています。工程は細かく分かれており、制作には職人の繊細で巧みな手作業が要求されます。
図案から仕上げまで小さな作業を含めると約15工程がありますが、毎田染画工芸では、その工程を一貫して工房内で制作しています。均一の品質を高めることと、時代に合わせた意匠を最終の仕上げまで責任を持って厳格に見届けるためです。
毎田 健治
加賀友禅作家。1964年に金沢美術工芸大学日本画科を卒業し、父 毎田仁郎に師事する。1975年に日本伝統工芸展初入選し、1978年には日本伝統工芸染織展にて文化庁長官賞受賞。加賀友禅400年の歴史を常に意識し、伝統の職人技法を頑に守っている。時代、空気、感性を読み取り、新しい意匠や、様々な分野での友禅のあり方を模索し、着物と現代の文化の新しい融合を図っている。
1991年 天皇・皇后両陛下御来県の節の衝立、卓布等謹作
1998年 ベルリンの日独センターにて個展開催 パリ日本文化会館にて作品展示 ほか
毎田 仁嗣
加賀友禅作家。1974年毎田健治(日本工芸会正会員)の長男として生まれる。2005年加賀友禅作家として独立。加賀友禅の持つ自然美と幾何学模様を融合させたデザインの着物を制作。伝統的な友禅技法に独自の防染技法も交えて表現している。また、加賀友禅の技法や意匠を活かしたファッション、室内装飾、パッケージなど様々な制作を手掛けている。
2015年 金沢市工芸展 金沢市長最優秀賞
2016年 アメリカフロリダ州 ウォルトディズニーワールド ユニクロ メインエントランス ディスプレイ制作
2018年 第六十五回 日本伝統工芸展 入選(以降連続入選)
ツアー内容
・加賀友禅の工程や技法を直接解説
本プログラムでは、普段公開されていない「毎田染画工芸」の工房を訪問し、加賀友禅の歴史、技法、15の工程について見本で示しながらわかりやすく解説いただきます。その後毎田仁嗣氏の案内で、下絵、糊置き、彩色などの実際の工程を見学。職人さんの熟練技術を間近で見学いただきます。
・非公開加賀友禅の鑑賞とお買い物
毎田染画工芸所有の非公開加賀友禅を鑑賞することができます。また、ギャラリーショップでは、飾り扇、スカーフ、タペストリー等も販売しており、お買い物も楽しめます。
・オプション 加賀友禅染色体験
小風呂敷に彩色します。できあがりのサンプルから好きな図案を選んでいただきます。下絵の描いてある白の絹の布に、筆を使い分けて好きな色を入れます。下絵の線に沿って糊を置いているので、隣の色と混ざることはありません。名前を入れたオリジナルの小風呂敷は、工房の職人が完成させて桐箱に入れて発送します。
(体験時間は30~45分、1~1.5か月後国内指定箇所へ別料金にて郵送)
・受入れ
人数:10名以下
*日本語のみの解説
【作家紹介】金沢漆器・加賀蒔絵 / 西村松逸
金沢漆器や加賀蒔絵の歴史と特徴
金沢の漆芸の特徴は繊細でありながら豪放華麗な制作にあります。塗り・蒔絵共に精緻を極めつつ、金や材料をこれほど贅沢に使う漆芸は類を見ません。前田家調度品に発し茶道具など一品制作を中心とし、美術価値が非常に高いことでも知られてきました。前田家暦代藩主は、鞍など武具や文台硯箱など調度にも心を注ぎ、京都江戸から当代随一の名工を招き、豪華絢爛で雅味を併せ持つ蒔絵技術を金沢に開花発展させました。
西村 松逸
漆芸・漆工(加賀蒔絵 他)
金沢、松逸の家に生る。大場松魚氏(人間国宝)に入門師事。竹取・平家・源氏・古事記など古典もテーマとし、『豊芦原の瑞穂の国のうるわし』『塗りと蒔絵の竹取物語』『平家物語〈序〉』他、海外でも個展開催。たおやかさと新しい表現を求め模索す。金沢漆芸会前会長。
国際花と緑の博覧会・政府苑《花もよう》招待出品、同展選抜展出品。(1990)
日本青年会議所1990年度TOYP大賞委員会特別賞受賞 他
1991年 第八回日本伝統漆芸展、最高賞など受賞多数
2017・2018年 工芸建築展出品(金沢21世紀美術館)
2018-2019年 ベルリン フンボルトホーラム「ゆらぎの茶室」国際コンペ並び最優秀賞実制作に参加。
ツアー内容
・金沢の生活に息づく工芸の意義を解説
街道沿いにあるご自宅座敷にて、蒔絵の名品をご覧頂きながら、漆、加賀蒔絵のみに限定されない幅広い工芸文化の話や、漆が日常生活の中でどのような役割をもつか、しつらえ等の総合的な視点から解説します。
・金沢漆器、加賀蒔絵や漆塗りの工程や技法を直接解説
作品の制作は、そのための道具を作るところから始まります。自宅2階の小さな工房で、熟練した技術や、いまでは新しく作ることが難しい貴重な道具類を間近に見学することができます。
・受入
人数:4、5名程度
買物:クレジットカード可、免税対応不可、海外発送不可
日本語の解説のみ
【作家紹介】加賀繡 / 宮越仁美
加賀繍の歴史と特徴
加賀繍(かがぬい)は、金沢市を含む石川県加賀地方で生産されている刺繍です。加賀繍の特徴は、繊細な技法で繍い上げた立体的な図柄と、華やかながらも奥ゆかしい美しさです。糸を何重にも重ねて立体的にする「肉入れ繍」や、絹糸の色を変えてグラデーションをつける「ぼかし繍」など高度な技法も使われます。絹織物地に下絵描きをしてから刺繍をする加賀繍は、浮かび上がる図柄が独特の雰囲気を持っています。
近年では高級呉服刺繍のみならず、加賀繍を使った額絵やタペストリーなどの装飾品も作られ、その芸術的な美しさがさらに注目を集めています。
宮越 仁美
加賀繍作家
2004年「宮越仁美 繡工房」を設立。2007年伝統工芸士の資格修得。2010‐12年 国・重要無形文化財「刺繍」保持者である福田喜重氏に師事。光や風の流れなどの五感から得るもの、その時々の心に響く印象をもとに制作している。
1999年 第55回現代美術展 初入選(以降入選)
2003年 第18回北國女流美術展 最高賞(その他入選、入賞)
2006年 ニューヨーク国際連合本部にて作品展示・実演
2016年 第63回日本伝統工芸展 初入選
2021年 第55回日本伝統工芸染織展 初入選 他
ツアー内容
・加賀繍の工程や技法解説、作品鑑賞、お買い物
加賀繍は草稿から仕上げまで約8工程があり、全て手作業で行います。自宅の工房で伝統的な加賀繍の作品を鑑賞しながら、加賀繍の工程を実演解説、作家の熟練した技術を間近に見学することができます。また帛紗や小物等を販売しており、お買い物も楽しめます。
・オプション 加賀繍体験
グリーティングカードを制作します。できあがりのサンプルから好きな図案と糸を選んでいただきます。下絵の描いてある布に、繍い針を使い、ひと針ひと針丁寧に意匠を繍い上げていきます。伝統的技法にも挑戦することもできます。 残りの刺繍は工房のスタッフが加えて仕立て、後日発送します。(体験時間は、約40分、概ね1か月後発送)
・受入
人数:5名以下
買物:クレジットカード可、免税対応不可、海外発送可(送料別途)
日本語解説のみ
【作家紹介】漆工 / 杉田明彦
杉田 明彦
漆工作家。東京都生まれ。手打ち蕎麦店で修業後、2007年に石川県輪島市へ。塗師・赤木明登に師事。2013年独立。2014年金沢市に工房を移す。時代を経ることで現れる古物の質感、佇まいにインスピレーションを得て、自身の感覚を器に表現している。現在は漆を使った平面作品にも挑戦し、また同じような手法で鉄のような質感の漆器も制作。
納入実績
・パリ・エッフェル塔内にあるアラン・デュカス氏のレストラン「Le Jules Verne 」
・アマン ニューヨーク
・アマン 京都 他
杉田氏の漆工の特徴
輪島塗の技法を受け継ぎ、現代の生活にも取り入れやすい端正な造形と丁寧な工程が特徴です。器の形となる木地は杉田氏のオリジナル。そこへ布を漆で貼り付ける布着せ(ぬのきせ)を行い、下地漆には能登半島で採れる珪藻土を焼成粉末化したものを混ぜます。珪藻土が漆と結びつくことで丈夫な塗膜を作ります。その後、漆の塗りと乾燥、研ぎの工程を12~13回繰り返すことで強度を高めます。
杉田氏の作品は、マットな鈍い艶を放ち、磨き跡が残る質感が特徴で、漆器のイメージや用途の可能性を広げてくれます。
ツアー内容
・曲水庭園がある武家系屋敷の工房を拝見しながら漆工についてお話しを伺う
江戸時代後期に建築された武家系屋敷にて、作品を拝見しながら漆の特徴や現代生活との関わりについてお話しします。
・漆工の工程や技法解説、お買い物
作品ができあがるまでの工程について解説を受けるだけでなく、工房では実際に熟練した技術を間近に見学することができます。また気に入った作品は購入することも可能です。
・受入
人数:10名以下
日本語解説のみ
買物:クレジットカード可、免税対応不可、海外発送可
【老舗漆器店】店主自宅訪問
老舗漆器店「能作」
安永9年(1780)初代が仏具の飾り職人たちのために漆を商い始め、加賀の国 武蔵ヶ辻に於いてうるし業を創業した老舗の漆器店です。以来200有余年、初代から8代に至るまで、漆、漆器の製造販売はもとより『漆文化』の広がりを目指し続けています。
創業者よりの商訓「店はお客様の為にある」を奉じ、伝統的なうるし産業を、うるし文化を、新しい世代に向けて発信するとともに生活文化の拡がりを目指しています。
ツアー内容(90分)
・店主の自宅で非公開の美術品を鑑賞
江戸時代以降の貴重で大変めずらしい金沢漆器の調度品(個人所有)を鑑賞します。
・蒔絵職人の実現見学
店主の自宅の庭園にある工房で、蒔絵職人の作業を見学できます。
・茶室での呈茶
店主宅の茶室で、お抹茶をいただくことができます。心ゆたかな静寂の時間を味わえます。立礼席可
オプション
・漆器商品のお買物
金沢市の中心部にある「能作」店舗では、日本の伝統的な調度品だけでなく、カップやカトラリー、盆、小箱なども販売しています。
店主がご案内いたします。
・蒔絵体験
下絵の描かれたお盆に彩色し、金粉等を蒔く蒔絵体験ができます。(料金別途、体験時間約90分)
・受入れ
人数:8名以下
買物:クレジットカード可、免税対応可、海外発送可
日本語の解説のみ