観光に行って応援! 金沢発着・今行ける能登
2024年1月1日の地震と、9月21日からの豪雨で大きな被害を受けた能登半島。
「観光に行ってもいいの?」「迷惑ではないか?」と心配される声も聞きますが、営業を再開しているところでは、観光客が来てくれることを待ち望んでいます。
この特集を参考にして、能登を応援したいという思いと共に、ぜひ、金沢から能登半島へも足を延ばしてください。
〈奥能登エリアは取材中につき、公開までしばらくお待ちください〉
(写真・文/若井憲)
※この記事は2024年10月1日現在の情報をもとに作成しています。今後も随時更新していく予定です。
金沢から「今行ける能登」
能登半島は、先端部までは金沢市から直線距離で約110kmと長く、日本海側最大の半島です。この地震で特に被害が大きかったのが輪島市・珠洲市・穴水町・能登町の奥能登です。七尾市と志賀町も相当な被害を受けていますが、奥能登にくらべると復旧が進みつつあります。
さて、金沢から能登へ出かける場合、交通手段は車か、鉄道とバスの利用となります。道路状況は奥能登の、特に能登半島の北部の「外浦」と呼ばれるエリアでは通行止めの道もまだあります。鉄道はJR七尾線、のと鉄道とも復旧していて、路線バスに関しては、奥能登地区では臨時ダイヤや一部運休している路線もあります。
【下記にご留意の上、能登旅行をお楽しみください】
・通行可能の道路でも、段差やうねり、片側交互通行のところもあります。運転には細心の注意をしてください。
・足場の悪いところがたくさんあります。歩行の際は足元に十分注意してください。
・利用できない公衆トイレもあります。利用できるところで早めに済ませるように心がけましょう。
・道路やバスの運行状況は刻々と変わりますので、お出かけ前に、下記のサイトで最新情報をご確認ください。
石川みち情報ネット
https://douro.pref.ishikawa.lg.jp
北陸鉄道
Column
能登観光の頼りになる「能登デスク」
金沢駅観光案内所内に能登半島広域観光協会が設置する「能登デスク」。ここでは能登半島観光の最新情報がわかります。
「まずは能登に来て現状を見ていただき、見聞きしたことをぜひ周りの方々にも伝えていただけたら」と能登デスクの中山智恵子さん。9〜15時の間は中山さんをはじめ、スタッフが常駐していて、「どこまで行けるか?」「どんなコースがいいか?」などの相談にのってくれます。
「宝達志水・羽咋・中能登エリア」で能登を感じる
地震の被害の爪痕は少なく、豪雨の被害にも遭わなかたエリアで、ほとんどの場所に問題なく行くことができます。金沢からも近いので、気軽に行って、少しでも能登の空気を感じたいという方におすすめです。
千里浜なぎさドライブウェイ(宝達志水町・羽咋市):波打ち際を車やバス、バイクで走ることができる世界的にも珍しい海岸。地震の影響はありませんが、天候等で通行止めになることもありますので、石川みち情報ネットで確認を。
氣多大社(羽咋市):能登国一宮の古社。本殿など5棟の国指定重要文化財や国の天然記念物で聖域の「入らずの森」があります。縁結びスポットとしても有名です。能登との縁に感謝をしつつ、能登の1日も早い復興を祈念しに参拝してみては。
コスモアイル羽咋(羽咋市):人類初の有人飛行に成功した旧ソビエトの「ヴォストーク宇宙カプセル」をはじめ、人類の宇宙史に残る本物やバックアップ用に作られた実物の船体が所狭しと並ぶ姿は壮観です。地震の影響でしばらく臨時休館となりましたが、現在は通常営業中。※2025年1月14日~4月1日まで大規模改修工事のため休館
道の駅のと千里浜(羽咋市):羽咋市をはじめ能登のいいものが揃う直売所とレストラン、ベーカリー、ジェラート店などが入ります。千里浜なぎさドライブウェイやのと里山海道のすぐそばにあり、能登の行き帰りにお立ち寄りを!
道の駅織姫の里なかのと(中能登町):宝達志水町から七尾市に向かう国道159号に隣接し、能登半島地震では災害復旧の中継点としての役割も果たしました。フードコートやドッグランもあり、地元の生産者が持ち込む採れたて野菜や手作りのお惣菜、お弁当も人気。
※上記以外にも宝達山、オムライス町(以上、宝達志水町)、妙成寺、永光寺(以上、羽咋市)、石動山、能登上布会館(以上、中能登町)などをはじめ、観光したいところがたくさん。
「七尾・志賀エリア」で能登の魅力を満喫
志賀町は震度7を記録し、大きな被害を受けました。七尾市も志賀町も復興しつつあり、金沢からは車でも鉄道でも行きやすく、美しい海をはじめ自然風景や、グルメ、温泉、歴史、文化など、能登の旅を満喫できます。
のとじま水族館(七尾市):地震で配管やボイラーなどの飼育設備などに大きな被害が出て、休業していましたが、7月に営業を一部再開しました。イルカ・アシカショーが再開されるまでは特別料金で入館できます。
能登島ガラス工房(七尾市):七尾湾を望む高台にあり、吹きガラスの制作を見学するだけでなく、各種ガラス体験もできます。3月に営業を再開しています。道の駅のとじま(一部再開)に隣接。
和倉温泉総湯(七尾市):約1200年の歴史がある名湯・和倉温泉の共同浴場。地震の影響で休業している旅館も多い中、通常営業を行っています。気軽に立ち寄り、和倉温泉の湯を楽しんでください。
能登食祭市場(七尾市):新鮮な朝どれの海産物や能登の名産品、その場で焼いて食べられる浜焼きコーナーなどがある食の宝庫。現在は仮営業中で休業中の店舗や立入禁止区域もあり、また浜焼きなど屋外テント販売は土日祝のみ営業。
七尾城跡(七尾市):日本五大山城の一つに数えられる能登の守護・畠山氏の城。各曲輪の石垣の多くが残り、本丸からの七尾湾の眺めが見事ですが、地震の影響で、本丸駐車場近くの調度丸跡から本丸までは当面立ち入り禁止。
https://www.city.nanao.lg.jp/sportsbunka/nanaojoushi.html
巌門・千畳敷岩(志賀町):能登半島屈指の景勝地・能登金剛を代表するのが巌門。侵食によってできた奥行き約60mの洞穴で、隣に広がる波食棚の千畳敷岩とも、地震による大きな被害はありませんでした。
能登金剛遊覧船(志賀町):能登金剛の巌門や鷹の巣岩、碁盤島などをめぐる遊覧船。津波で船が壊れてしばらく休業していましたが、7月から通常運航しています。運航は3月中旬〜11月中旬で、冬期および海が荒れている日は欠航します。
機具岩(志賀町):「はたごいわ」と読み、ここも能登金剛を代表する景観の一つ。機織りの神様の伝説を生んだ夫婦岩は、伊勢の二見岩に似ていることから「能登二見」とも。崩壊など、地震による大きな影響もなさそうです。
増穂浦海岸(志賀町):約4km続く白砂青松の海岸は日本小貝3名所の一つといわれ、サクラ貝をはじめ、小さくてきれいないろいろな貝殻が拾えます。「世界一長いベンチ」やキャンプ場もあります。
義経の舟隠し(志賀町):義経と弁慶らが奥州へ下る途中、荒波を避けるために舟を隠したという伝説が残る断崖絶壁の岩場です。自然歩道でつながる「ヤセの断崖」と一緒に訪れたいところ。
※上記以外にも花嫁のれん館、一本杉通り商店街【一部仮店舗】(以上、七尾市)、平家庭園、道の駅ころ柿の里しか(以上、志賀町)など、観光に訪れたいところが他にもあります。
Column
避難先から帰ってきた動物たちに会いに行こう!
のとじま水族館は、設備の故障などで安全な飼育が難しくなったイルカやペンギン、アシカなど9種63点の動物を北陸三県はもとより、遠くは東京や横浜、南紀白浜の水族館や動物園に避難させました。設備の修理も終わって、イルカとアシカ以外は能登島に帰ってきて、元気な姿を見せてくれています。館内の一角には、避難した生きものたちの紹介や、震災から現在までの水族館の様子を紹介するコーナーがあります。