谷口建築めぐり~金沢が育んだ世界的建築家谷口吉郎・吉生親子の建築~(金沢アーキテクチャーツーリズムモデルコースNo.2)
- 所要時間:
- 約4時間
- 移動手段:
- バス・徒歩
父の谷口吉郎氏は金沢の九谷焼窯元の家に生まれ、建築家として秩父セメント、東京国立博物館、ホテルオークラなどの作品を残し、文化勲章を受章しました。その功績により金沢ふるさと偉人館に顕彰されています。息子の谷口吉生氏は同じく建築家で豊田市美術館、MoMA(ニューヨーク近代美術館)、京都国立博物館などを設計、世界的に高く評価されています。金沢と縁が深い建築家親子の作品をめぐるコースです。
「広小路」バス停下車
谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館
建築と都市をテーマとした施設で、谷口吉郎氏の住居跡地に2019年に開館しました。設計は、吉郎氏の息子で世界的な建築家である谷口吉生氏。館内は、吉郎氏が設計した迎賓館赤坂離宮和風別館「游心亭」の主和室と茶室が忠実に再現、展示される新しいスタイルの施設です。ここから谷口親子の建築巡りを始めましょう。
室生犀星文学碑
谷口吉郎氏の設計による1964年建設の文学碑。赤御影石製で流し雛を形どっており、金沢出身の文豪 室生犀星自筆の「あんずの詩」が刻まれています。この他、卯辰山公園には、吉郎氏の設計で日本の文学碑第1号とも言われる「徳田秋声文学碑(1947年建設)」もあるので、足を伸ばしてみるのもいいですね。
鈴木大拙館
金沢出身の仏教哲学者 鈴木大拙の考えや足跡を伝え、体験する施設。谷口吉生氏の設計で2011年に建設されました。館内は「展示空間」「学習空間」「思索空間」の3つの空間を回廊で結ぶとともに、「玄関の庭」「露地の庭」「水鏡の庭」の3つの庭によって構成されています。来館者の思索を促すとても静かな空間です。
いしかわ生活工芸ミュージアム(石川県立伝統産業工芸館)
谷口吉郎氏の設計で、1959年に石川県立美術館として建設されました。1983年、美術館は場所を移して新築されましたが、この建物は取り壊されることなく「伝統産業工芸館」として生まれ変わりました。格子戸を思わせるデザインなどを取り入れた清楚な建築は長く県民に愛されています。内部の大きな吹抜は、豊かな展示空間となっており、加賀友禅、九谷焼、山中漆器、輪島塗など、石川県内の伝統的工芸品全36品目のすべてを見ることができます。
金沢市西町教育研修館
谷口吉郎氏の設計で、1952年に繊維協会の施設として建設されました。協会が移転した後は金沢市の施設として活用されています。吹抜けのある玄関ホール。空中に浮かぶ折鶴型の照明器具を中心ににしたらせん階段、地元産の石を用いた床や壁などのモダンなデザインが特徴的です。
- 住所
- 金沢市西町3-16
- 定休日
- 火曜、年末年始
金沢市立玉川図書館
吉郎・吉生親子、最初で最後の合作と言われ、1978年に建設されました。息子の吉生氏が図書館本館を、父・吉郎氏が付属施設である近世資料館の改修を設計。コールテン銅の外壁を持つシンプルな形態の本館と大正2年建築の「金沢煙草製造所」を改修した国登録有形文化財の重厚な赤レンガ造りの資料館、2つの建物が共有する中庭など見どころ満載です。本館の公開ホールで谷口親子の建築に関する書籍を閲覧して、旅のおさらいをするのもおすすめです。