哲学&建築をめぐる旅~鈴木大拙館・西田幾多郎記念哲学館~
- 所要時間:
- 約3時間
石川県が生んだ哲学者、鈴木大拙と西田幾多郎。その思想や足跡を伝える施設が、2人の生まれ故郷にあります。「哲学って何だろう」「難しそう」と思いがちですが、そう考えたときに哲学への第一歩が始まっています。金沢市内の「鈴木大拙館」、近郊のかほく市にある「西田幾多郎記念哲学館」は、建築の素晴らしさでも注目を集めています。その注目の理由は、「考える」を「感じる」に変換するチカラがあるからかもしれません。建築を通して哲学を知る、そんな旅へ出発です。
鈴木大拙館
まちなかにある深い静寂
「鈴木大拙館」は、金沢市出身の仏教哲学者である鈴木大拙への理解を深め、思索の場とすることを目的に2011年に開設されました。東洋の思想・禅を西洋に広く紹介した学者として知られる郷土出身の世界的な人物を紹介する施設であると共に、設計が建築家の谷口吉生ということでも注目を集めています。実際に訪れると、この建築空間が鈴木大拙の思想を表現し、理解を助ける不可欠な存在であることがわかります。「哲学とは?」「鈴木大拙とは?」という問いに、自信をもって即答できる人はそういないと思います。しかし、回廊で結ばれた三つの棟と、三つの庭からなる空間を回遊するうちに、何かを考え、感じ始めている自分に気づきます。単に展示品を収める建物ではなく、来館者それぞれが鈴木大拙について知り、学び、そして考えるように意図された空間なのです。
- 住所
- 金沢市本多町3-4-20
- 電話番号
- 076-221-8011
- 営業時間
- 9:30~17:00(入館は16:30まで)
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は翌平日)・年末年始・展示替期間
西田幾多郎記念哲学館
西田幾多郎の生まれ故郷・石川県かほく市に、世界でたった一つ「哲学」という名前をもつ博物館があります。金沢市内からのと里山海道へ向かうように車を走らせると、海のそばの高台にそびえる姿が見えて来ます。設計を手がけたのは日本を代表する建築家・安藤忠雄。丘陵の地形をいかして周囲の自然と調和させた造り、そして特徴的なコンクリートとガラスの構造。住宅、美術館、教会やホテルなど、多くの安藤建築に共通する特徴がここでも感じられますが、この建物のテーマは「考えること」と設計者自らが語るように、来館者が「迷いながら、自ら考え、前に進む」という体験をするように、複雑な迷路のように設計されています。
展望ラウンジからは西田幾多郎が生まれ育った町はもちろん、日本海、白山連峰、河北潟まで一望でき、21:00まで開館しているので夕日や夜景の鑑賞スポットとしても人気があります。また、日没から21:30まで美しくライトアップされる建物の周りの「哲学の杜」も見所です。
- 住所
- 石川県かほく市内日角 井1
- 電話番号
- 076-283-6600
- 営業時間
- 9:00~21:00(入館は20:30まで)
研修室、ホールをご使用の場合は22:00までご使用いただけます。 - 定休日
- 月曜日(祝日の場合は翌平日)
年末年始(12月29日~1月3日)
展示品の入替期間・メンテナンス期間