冬の金沢★トラベルガイド《12〜2月編》旅の準備はここから!
旅の計画は、その土地のことを知ることから。
季節に応じた服装や持ち物、その時期にしか楽しめないイベントや体験、
みどころスポットの情報を集めて、とっておきの旅プランを練りましょう。
四季折々に魅力あふれる金沢。
冬の季節にあった服装や持ち物、見逃したくないイベントや風景、今が旬の味覚など、
知っているとさらに冬の金沢を楽しめる、そんな情報をご紹介します。
せっかく訪れるのなら、冬を存分にお楽しみください。
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気候と服装
冬の北陸は「寒いのでは?」と心配される方も多いようですが、12月、1月の最低気温は東京とはほぼ同じ。最高気温は2℃ほど下がりますが、それほど大きな違いはありません。
ただ大阪とくらべた場合、いずれも2℃前後の違いがあり、少し寒く感じるかもしれません。
服装は寒冷地に出かけるような厚着をする必要はありませんが、冷え込む日もありますので脱ぎ着で調節できるセーターやフリース、マフラーをお持ちになると安心です。
雪は例年、12月下旬くらいから降り始め、2月いっぱいまでは雪が降る日が多くなります。ただし、積もっても数センチ(まれに数十センチ積もることも)ということがほとんどで、街なかでは冬の間雪がずっと残るということはありません。
街の中心部の道路や歩道は地下水を出して雪を溶かす消雪装置があり、雪の上を歩くことも少ないですが、路面が濡れていますので、滑りにくく、防水機能のある靴(スノーブーツなど)が最適です。
冬の金沢では、突然、雷が鳴り(金沢では「鰤起こし」とも言います)、大粒のアラレが降ってくると雪になります。大きな雷鳴には驚かされますが、これが金沢の冬の風物詩なのです。
<服装>
12月前半・2月後半:冬物のコートやダウンジャケット、セーター、マフラー、手袋、ブーツ(防水のもの)。
12月後半〜2月前半:上記と同じですが、アウターは丈が長めのものがおすすめ。
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着いたら大雪!そんな時でも安心、長靴貸し出し
金沢駅に着いたら雪がしんしんと降り積もっていた・・・。そんな時に心強いのが、金沢駅構内にある金沢観光案内所で行っている長靴の無料貸し出し。どなたでもご利用できます。ご用意できるサイズは男性用24.5〜29センチ、女性用21.5〜26センチです。消雪装置の水がたまっているところもありますので、長靴が安心です。
見逃したくない! 冬の定番観光スポット
冬の金沢でぜひ観ておきたい、ここだけの風景があります。
代表的なものをいくつか紹介しましょう。
冬の金沢が初めての方は、期間限定の景色をぜひお見逃しなく!
◎兼六園の雪吊り
雪の重みで枝が折れないように毎冬行われる雪吊り。放射状に張られた縄が美しい幾何学模様となる「りんご吊り」が有名。兼六園では毎年11月1日からおよそ1か月半をかけて、雪吊り作業が行われます。翌年、3月中旬に取り外されるまで、冬の兼六園ならではの風景を楽しむことができます。
また、毎年2月頃に夜間ライトアップが実施され、暗闇に浮かび上がる雪吊りがとても幻想的!ただし、夜間の園内は冷え込みますので防寒対策は万全に。
◎長町武家屋敷跡のこも掛け
長町の土塀には、冬になるとわらで作ったこも(薦)が掛けられます。染み込んだ雨水が凍って土塀にヒビが入ったり、積もった雪が落ちるときに土塀を傷つけたりしないようにするためのもの。暖かそうなこもに包まれた塀がずっと続く風景はほっこりします。12月初旬から3月中旬まで見ることができます。
◎金沢の冬のイルミネーション
大都会にくらべたら、規模は小さいですが、金沢ならではの魅力がぎゅーっと圧縮されたイルミネーションは一見の価値あり。近江町市場周辺、香林坊・長町周辺、片町周辺の3か所で実施中。雪が降ってくるとさらにロマンチックです。だいたい2月中旬まで見ることができます。
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雪が見たくなったら白山麓や五箇山へ!!
金沢の街なかはそれほど雪が積もることはありません。雪景色が見たい方におすすめしたいのが、石川県白山市白峰地区と富山県南砺市五箇山地区。どちらも国の特別豪雪地帯に指定され、古い伝統的な家並みが冬の間はすっぽりと深い雪に包まれます。どちらも金沢駅からバス1本で行くことができます。
地元ライターがおすすめする屋内HOT雪見スポット
それほど寒くない金沢ですが、雪が降るような日は別。外を長時間歩くのはつらいかも。
そんな時におすすめが寒さを気にせずに、観光しながら屋内から降りしきる雪を眺めることができるスポット。とっておきの雪見ができるところを厳選しました。
じっくり自分と向きあうことができる思索空間から、水鏡の庭や借景となっている本多の森にしんしんと降る雪を眺めていると何時間でも過ごせそう(入館有料)。
撮影協力:鈴木大拙館
建築とまちづくりをテーマにした建築館。2階常設展示室からの水庭の雪景色は必見です。(入館有料)
撮影:北嶋俊治
休憩したり、観光情報を仕入れることができる1階のしいのきプラザでは、大きな窓越しに金沢城の石垣を眺められます。夜は22:00まで開館しているのがうれしい(無料)。
金沢城公園内にあるカフェを併設した休憩館。休憩所の大きな窓からは復元された菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓がまるで1枚の絵のように眺められます(無料)。
室内からは石垣を借景とした庭園の全景を望むことができます。和室では有料で呈茶も。週末の夜にはライトアップされますが、その様子も暖かい室内から眺められます。
重厚な重要文化財の赤レンガの建物の間にあるくつろげるサロン。ガラス張りになっていて眺めが良く、近未来的な雰囲気。このサロンは無料で利用できます。
まるびぃの愛称がある円形ガラス張りの美術館。22:00まで開いている無料の交流ゾーンからはアーティスティックな雪景色も。
カニ、カキ、ブリ、おでん、鍋・・・ 冬の金沢グルメ
加能ガニをはじめ、冬の金沢はおいしいものがいっぱい!
加能ガニ(石川県で水揚げされるオスのズワイガニ)の漁は3月20日まで続きますが、希少価値があって、近年人気急上昇中の香箱ガニ(メスのズワイガニ)の漁は12月29日までと短いのでご注意を。
小粒ながら肉厚で風味のいい能登のかきや、ズワイガニと並ぶ冬の日本海を代表する味覚・寒ブリ(能登や氷見産)も味わえます。
品質の良い海産物は「金沢甘えび」、「加能ガニ金沢」、「金沢香箱」として金沢のブランドに認定しています。見かけた場合は是非ご賞味ください!
珍しいタネが多い金沢おでんや、話題の石川県ご当地グルメ「とり野菜みそ」の鍋もおいしい季節です。
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うまい肴にぴったりの日本酒
石川県は酒造りが盛んな土地です。仕込みの最盛期を迎える冬は「しぼりたて」が出回り時期で、酒蔵見学をさせてくれる蔵元もあって、日本酒党の人にはたまらない季節。また、いろいろな銘柄を飲みくらべできる店もあるので、好みの酒に出会うことができるかも。
冬の金沢、石川&北陸を楽しむイベント
冬は、金沢はもちろん石川県内でもとっておきのグルメイベントが目白押し! 他にも冬ならではのお楽しみがいろいろ。金沢にお出かけの際は、要チェックです!
◎金沢冬の旅キャンペーン/2024年11月1日〜2025年2月28日
冬の食や景観など新しい金沢の魅力を発見する特別なキャンペーン。秋冬ならではの金沢の新たな魅力を感じられるツアー「体感!金沢の旅」も紹介します。
◎フードピア金沢2025/2月1日〜2月29日
石川・金沢ならではの食文化【FOOD】とそれを育んだ風土【ふうど】を満喫できる食のイベント。市内各地でさまざまな催しを開催。
◎新年のお出かけ情報
初詣から消防出初式、左義長、節分祭まで、金沢市内&近郊ではさまざまな恒例行事が行われます。
・金沢市消防出初式(金沢城公園 新丸広場) /2025年1月5日
・氷室の仕込み(金沢市湯涌町)/2025年1月26日(日)
・【宇多須神社】節分祭(ひがし茶屋街そば)/2025年2月3日
◎ちょっと足を延ばしてグルメイベントを楽しむ
・日本海高岡なべ祭り(富山県高岡市)/2024年1月13日~14日
・のと寒ぶりまつり(石川県能登町)/2024年中止
・ひみぶりフェア(富山県氷見市)/2024年12月1日~2025年2月28日※ブリの水揚げがなくなり次第終了
・雪中ジャンボかき祭り(石川県穴水町)/2024年中止
・食祭「珠洲まるかじり」(石川県珠洲市)/2024年中止
※開催日など、お出かけ前に最新情報をご確認ください。
<文 北陸ライター 若井憲>