金沢の魅力を育んだ茶道文化 ~茶道と金沢~
金沢は、藩主である前田家が代々茶道を大切に守り続けてきた歴史をもち、その伝統は今も息づいています。市内には数多くの茶室が点在し、茶道人口も多く、四季折々に開かれる茶会も盛況です。さらに、茶道に触れたことがない方でも気軽に楽しめるよう、お抹茶を提供するカフェや体験施設が多くあり、訪れる人々に茶の湯の魅力を伝えています。
また、茶の湯(茶道)は工芸と深く結びついています。茶道で使われる道具や茶室の設計、そして茶道の精神を反映した工芸品などが数多く生まれ、茶道と工芸が互いに影響を与えながら、金沢ならではの美を創り上げています。
茶道・茶の湯の歴史(日本)
<茶の湯 in 日本>
まずは、茶道文化が加賀藩で栄えるまでの歴史を簡単に見ていきましょう。
茶の湯の起源 ~中国から日本へ~
抹茶は9世紀に中国から日本に伝わり、最初は薬として飲まれていたと言われています。13世紀には、臨済宗(禅宗)を開いた栄西禅師が宋から茶の種を持ち帰り、抹茶の製法や特徴を記した「喫茶養生記」を著して、禅寺で茶を飲む習慣を広めました。
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京都から全国への広がり
栄西の影響を受けた明恵上人は京都・栂ノ尾(とがのお)で茶の栽培を始め、やがて宇治や愛知、伊勢などに広がりました。次第に武士にも好まれるようになり、茶の産地名を競い合う「闘茶」が流行しました。室町時代には、中国から輸入された茶器「唐物」 を尊重する美意識が生まれ、茶の湯の文化が徐々に発展していきました。
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「わび茶」の始まり
奈良の村田珠光は、一休宗純などとの交流で禅の影響を受け、質素さや不完全な美を重んじる「わび茶」を創始しました。珠光の思想は堺の茶人・武野紹鴎(じょうおう)に受け継がれ、豪華さを排しシンプルで簡素な美を重んじる「草庵の茶」が発展し、千利休へと繋がります。
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千利休と「茶の湯」の完成
茶の湯は、千利休によって完成され、庶民の間にも広まりを見せました。 6古窯(※)をはじめ、日本各地で茶道具が作られ、茶の湯文化が根付いていきました。 利休の茶の湯は、織田信長や豊臣秀吉に愛され、前田利家をはじめとする全国の諸大名に広まりました。
※6古窯とは:瀬戸、越前、常滑、信楽、丹波、備前の6つの窯のことを指します。これらは日本古来の陶磁器窯の中でも、特に中世から現在まで生産が続いている代表的な窯であり、茶道具の制作においても重要な役割を果たしました。
茶の湯・茶道の歴史(金沢)
<茶の湯 in 加賀>~金沢における茶道文化の歴史と現代の息吹~
金沢の茶道文化は、加賀藩の藩主たちの深い関与のもとで発展し、その歴史を通じて今日に至るまで続いています。金沢を訪れると、茶道文化と工芸がいかに密接に繋がっているかを実感できます。
前田利家以前
金沢の茶道文化のルーツの一つに、能登半島で栄えた畠山氏の文化があげられます。特に、茶人・円山梅雪を招いたことで、京の洗練された文化とともに茶道が根付きました。1581年、前田利家が能登一国を与えられ、茶の湯への関心をさらに深めていきます。
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初代・前田利家 ~加賀百万石の基礎を築く~
1583年、前田利家が金沢に入城。北野大茶会や朝鮮出兵に際しても茶会に参加したり主催するなどして茶の湯に多く触れ、理解を深めていきます。若い頃は「かぶき者」として知られた利家でしたが、後年は、茶の湯や能を愛する文化人として加賀藩の基礎を築きました。利家の茶の師は、千利休や織田有楽斎といわれています。
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3代・前田利常 ~加賀文化の生みの親~
利常は、茶の湯を重んじ、大名茶人として小堀遠州を迎えました。また、宗和流の創始者・金森宗和の嫡子や、裏千家の祖師・千仙叟宗室を加賀藩に迎えました。宗室は、京都と金沢の間を往復し、5代藩主・前田綱紀の代まで加賀藩に仕えています。
利常はまた、金沢城内で武具の修理などを行っていた機関「御細工所」を大名調度を製作する機関に転換。京や江戸から一流の名工を招聘し工芸の発展を促しました。加賀は京都・江戸に並ぶ一大工芸都市として名を馳せることになります。
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5代・前田綱紀 ~加賀文化の爛熟期~
1666年、千宗室は京都から樂家四代の一入に師事していた土師長左衛門を金沢に連れてきました。長左衛門は、大樋村に土地を賜り窯を開き「大樋焼」を始めます。また、宗室は鋳物師・宮崎寒雉を推挙し、彼は藩の御用釜師として重用されました。茶会に必要な茶道具は、前田家の支援を受けてより盛んに作られ、金沢の文化は成熟期を迎えます。
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明治以降 ~茶道文化の灯火~
以降も茶道文化と工芸の振興は連綿と引き継がれましたが、明治に入ると、藩に庇護されていた茶道は陰りをみせはじめます。そんな中、裏千家の11代玄々斎と、表千家の11代碌々斎が金沢を訪れ、金沢の茶人たちと交流を深めました。特に、玄々斎は1875年10月から約90日間門人の湯川一井庵方に逗留し、金沢の茶人たちに茶道を伝授しました。また、この時期武家社会の終焉に伴い、大名家の茶道具や美術品が売りに出されましたが、多くは金沢の数寄者たちにより購入され、井上馨や高橋箒庵、高橋是清など当時を代表する数寄者たちが金沢に足を運び鑑賞会を行うなど、茶道の灯は脈々と受け継がれていきます。
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現代 ~進化・深化する茶道文化~
今日、金沢は日本有数の茶道文化の中心地として知られています。金沢市は、茶道教室の数が日本一(経済センサス「基礎調査」2014)、和菓子の消費額が日本一(総務省「家計調査」2023)という実績の他、石川県は人間国宝認定数「工芸技術部門」全国第1位を誇ります。加えて、金沢漆器、輪島塗、九谷焼、友禅染めといった工芸産業も盛んなことに加え、金沢市美術工芸大学や卯辰山工芸工房などの教育・研修機関が充実していることで若いアーティストたちが全国から集まり、互いに刺激し合っています。これにより、金沢の工芸技術は常に高いレベルを維持しています。
また、金沢市や石川県の行政は、茶道文化を奨励するために積極的な支援を行っています。「金沢・茶道こども塾」では、次世代の茶会文化の担い手を育成し、茶道の魅力を未来へと繋いでいます。さらに、行政主催の茶会も一年を通して開催され、茶道文化を広めるための努力が続けられています。
金沢における茶道文化の影響は、日常生活を豊かにするだけでなく、工芸や美術にも大きな影響を与えています。 ぜひ、金沢で茶道や工芸に触れて、その豊かな歴史と文化を楽しんでください。茶室でのひとときや、工芸品を手に取ってみることで、金沢の魅力を深く感じることができるでしょう。
Column
実は金沢にも縁があった! 本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ)
本阿弥光悦といえば、琳派や京都の鷹が峯にある光悦村など、京都との深い関わりがよく知られていますが、実は金沢とも縁があることをご存知でしょうか?
本阿弥家は、刀剣の鑑定・研磨を家業としており、光悦の父である光二は、加賀藩より扶持200石を受けていました。光悦自身は、家業にとどまらず、書や陶芸、漆芸、能楽、茶の湯といった多岐にわたる芸術活動を行い、数寄者として歴史にその名を残しています。光悦が京都の鷹ケ峯に芸術村を開いた際は、加賀藩3代藩主・前田利常から財政的援助を受けていました
光悦は、京都から洗練された文化を加賀に持ち込んだ人物として、藩主利常やその重臣たちとも親交を深めました。金沢は、こうした京都の文化が根付く重要な地として、光悦の影響を受けた場所でもあるのです。
茶の湯の美を求め、金沢を巡る
金沢には、茶道の歴史と美を感じられる場所が数多くあります。ここでは、金沢で訪れるべき茶道に関連するスポットをいくつかご紹介します。
千仙叟宗室居士邸地跡
千利休のひ孫であり、裏千家の祖師である千仙叟宗室が住んでいた場所です。宗室は1652年、加賀藩3代藩主・前田利常に茶道奉行として京都から招かれました。最初は利常の拠点である小松城内に居を構えていましたが、利常の死去後、現在の地に屋敷を与えられました。ここで宗室は、利休の茶室「今日庵」を模した「臘月庵(ろうげつあん)」を建てました。現在は、千玄室大宗匠揮毫の「好古庵」や、前田家との深い縁を示す「松雲関」などがあります(見学不可)。
場所:大手町9-5
メモ:外観のみ見学可
月心寺
千仙叟宗室の墓があり、毎月23日 には命日を記念して月釜が行われます。ここには「直心庵」や「暁雲亭」 「指月軒」の茶室があり(見学不可)、また、宗室が京都から連れてきた京都樂家4代一入の弟子・土師長左衛門(後の大樋長左衛門代々)もここに葬られています。寺自体は、慶安3年(1650年)に創建された曹洞宗の寺で、一帯は卯辰山麓重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。歴史的背景と美しい自然を感じながら、静かなひとときを過ごすことができます。
場所:山の上町1-43
メモ:拝観は要予約
大樋美術館
金沢の茶道文化を語る上で欠かせない場所、それが大樋美術館です。大樋家の歴史は、5代藩主・前田綱紀が千仙叟宗室を茶堂として迎え、宗室が京都から樂焼4代一入(いちにゅう)の弟子である土師長左衛門を伴ってきたことに始まります。長左衛門は後に大樋焼の始祖となり、金沢の茶道文化を支える存在となりました。大樋焼の特徴は、ろくろを使わず手で捻って成形し、飴釉(あめゆう)を施す独自の技法です。
ギャラリーと美術館の2つの施設に分かれており、美術館では初代から現代に至るまでの大樋焼の作品が展示されており、大樋焼を中心とした金沢の茶道文化の歴史に触れることができます。2014年に建築家・隈研吾氏が手掛けたギャラリーでは、歴代の長左衛門作の茶碗でお抹茶を楽しむこともできます。江戸時代に建てられた屋敷は金沢指定保存建造物に登録されており、「折鶴の松」と呼ばれる樹齢約600年のアカマツは、金沢市の指定保存樹に指定されています
場所:橋場町2-17
メモ:ミシュラングリーンガイド1つ星に認定されています。
金沢市立中村記念美術館
金沢で酒造業を営んでいた故中村栄俊氏が収集した約1000点のコレクションを展示している美術館。中村氏は、「美術品は一個人のものではなく国民の宝である」という信念のもと、収集した茶道具を美術館に寄贈し、広く一般に公開しています。茶道具のコレクションは多岐に渡り、重要文化財を含む貴重な品々も多く展示されています。館内では、お好きな茶器を選び、抹茶と和菓子をお楽しむことができ、茶道具の美しさと歴史に触れながら、静かなひとときを過ごすことができます。
場所:本多町3-2-29
メモ: 市中心部にありながら緑の森に囲まれた自然豊かなロケーションで、「みどりの小径」を通じて鈴木大拙記念館へ、「美術の小径」を通じて県立美術館や国立工芸館へとつながっており、散策しながら文化を堪能することができます。
松涛庵(しょうとうあん)
江戸末期に加賀藩12代藩主・前田斉泰によって、江戸根岸にあった隠居所「冨有園」の居室として建てられました。その後、鎌倉の別邸(現「鎌倉文学館」)に移築され、さらに昭和11年(1936年)には、前田家16代当主・前田利為氏によって独立した数奇屋風の茶室として整備され、「松涛庵」と名付けられました。
その後、この茶室は金沢の料亭(旧ごり屋)に移築され、最終的には金沢21世紀美術館の敷地内に移されました。
隣接する茶室「山宇亭」は、もともと富山県高岡市にあったものを1951年に移築したもので、腰掛待合には「砂雪隠」が付随しています。
場所:広坂1-2-1(金沢 21世紀美術館敷地内)
メモ:「松涛庵」と「山宇亭」は無料でご覧いただけます
西田家庭園・玉泉園
金沢で最も古い庭園の一つで、兼六園より120年も早い歴史を誇ります。庭園内には、裏千家仙叟宗室の指導のもとに作られた金沢最古の茶室「灑雪亭(さいせつてい)」が現存しています。その他にも、キリシタン灯籠や名石を配置した飛石、蹲踞(つくばい)など、見どころ満載です
本庭は茶庭風の「西庭」から始まり、池泉式の「主庭」へと続きます。さらに東庭を経て、高台にある「灑雪亭露地」へと進む回遊式庭園で、玉澗(ぎょくかん)様式に基づいて作られています。高低差を活かしたデザインが特徴的で、見ごたえがあります。庭園は県指定名勝に指定されています。
「玉泉園」は加賀藩主前田家の上級武士・脇田直賢によって造られましたが、明治時代に屋敷と庭園が西田家に渡り、現在は「西田家庭園」として親しまれています。茶室「灑雪亭 (さいせつてい)」では、お抹茶と和菓子を楽しむことができます
場所:小将町8-3
メモ: 冬季は休園。レストラン「玉泉邸」では、名勝庭園を眺めながら優雅にお食事を楽しむことができます。
成巽閣・「清香軒」
加賀藩13代藩主・前田斉泰が母君・真龍院のために建てた隠居所で、現在は国の重要文化財として保存されています。成巽閣は、大名書院造りと数奇屋風書院造りを融合させた独特の建築が特徴で、風格ある佇まいが印象的です。「群青の間」は、鮮やかな群青色で染められた美しい空間で、花鳥の意匠や豊かな色彩が溢れ、女性らしい雅な雰囲気を漂わせています。細やかに設計されたデザインからは、藩主の母への深い思いが伝わってきます。
普段は非公開の茶室「清香軒」と広間「清香書院」は、成巽閣の造営当初から組み込まれているお部屋です。これらも国の重要文化財に登録されており、土縁には自然石が配され、土間の庇も深く、内露地には遣水が流れています。この設計は雪深い日にも茶事が行えるよう工夫されたものです。
場所: 兼六町1-2(成巽閣内)
メモ: 見学は事前予約が必要です
金沢で茶道体験①「雰囲気のある空間でお抹茶を楽しみたい」
金沢の街を歩くと、そこかしこに歴史と文化が息づいており、その風情を感じながらゆっくりとお抹茶を楽しみたくなりますよね。金沢には、伝統的な茶室や美しい庭園を眺めながら、本格的な茶道体験ができるスポットが豊富にあります。今回は、雰囲気のある空間でお抹茶を味わえる場所を、エリアごとにご紹介します。
【ひがし茶屋街エリア】
金沢を代表する観光スポットの一つ、ひがし茶屋街。歴史的な町家が並ぶこのエリアでは、伝統的な茶屋を改装したカフェや茶店で、お抹茶を楽しむことができます。風情ある街並みを散策しながら、心落ち着く一服をどうぞ。
志摩「寒村庵」:国の指定有形文化財に登録されている建物で、庭園を眺めながら本格的なお抹茶をいただけます。
懐華樓:築200年の茶屋建築で、市の指定保存建物にも指定されています。
茶房やなぎ庵:ひがし茶屋街のシンボル見返り柳が目印。200年の歴史を持つ金沢市指定保存建造物をリノベーションしたカフェ。
久連波(くれは):昔ながらの町家の佇まいが魅力。加賀友禅小物が並ぶ奥のスペースと2階がカフェになっています。
大樋美術館:隈研吾氏設計のギャラリー内で、大樋焼の歴代茶碗からお気に入りの茶器を選び、お抹茶を楽しむことができます。
森八・金沢菓子木型美術館:2階の「森八茶寮」では、寺島蔵人邸の庭園を眺めながら一服お楽しみいただけます。
【主計町茶屋街~近江町市場~尾山神社エリア】
金沢の賑やかなエリアにも、静かにお抹茶を楽しめる場所が点在しています。風情ある街並みや、文化的な空間でのお抹茶体験をお楽しみください。
まゆ月 くらがり坂:主計町茶屋街に続くくらがり坂のたもと。米国人木版画家の故クリフトン・カーフ氏のギャラリーの跡地で店内のインテリアも見どころです。
CAFE KAN(甘):人気老舗和菓子店が手掛けるカフェで、発酵小豆を使った体に優しいあんこなども楽しめます!
大友楼「一井庵」:もともと加賀藩の茶道の教授所 裏千家11代玄々斎が金沢逗留の際に訪れた湯川一井庵の茶室で歴史を感じながらお抹茶をお楽しみいただけます。
【兼六園・金沢城エリア】
金沢を代表する観光名所である兼六園や金沢城周辺にも、茶道体験ができる場所があります。美しい庭園を眺めながら、心静かにお抹茶をどうぞ。
金沢城公園「玉泉庵」 :金沢城公園の玉泉院丸庭園にある茶室で、美しい庭園を眺めながら一服どうぞ
兼六園「時雨亭」 :江戸時代は日本で一番古い噴水の前にあった御亭を移設して再現した茶室。茶室建築の第一人者・中村昌夫氏が手掛けました。
兼六園「三芳庵」 :瓢池の畔で、翠滝の音を聞きながらの一服はまた格別です。
西田家庭園玉泉園「灑雪亭(さいせつてい)」 :裏千家の祖宗室が指導したといわれる金沢最古の茶室で、庭を見ながら優雅な時間を過ごせます。
寺島蔵人邸「乾泉亭」 :加賀藩中級武家屋敷で、寺島家の家紋をかたどった特製の落雁とともにお抹茶をどうぞ。
【長町武家屋敷跡エリア】
武家屋敷跡 野村家「不莫庵」 :2階から茶室から庭園を眺めながらの一服は心落ち着きます。
【本多の森エリア】
中村記念美術館「喫茶室」 :ご自身のお好みの茶器をお選びいただけます。喫茶室からは苔が一面に敷き詰められた庭園をご覧いただけます
【小立野エリア】
兼六園の小立野口から石川県立図書館に続く小立野台地に広がるエリアです
天徳院 :3代藩主前田利常の正室で、徳川第2代将軍・秀忠の娘珠姫を祀る由緒あるお寺で、からくり人形劇やお抹茶をお楽しみいただけます。
金沢で茶道を体験する②「自分でお抹茶をたてたい!」
金沢を訪れた際にぜひ挑戦してほしい体験のひとつが、自分でお抹茶を立てることです。抹茶を点てる体験は「自服」と呼ばれ、茶道の一部として日本の伝統をより深く感じることができます。金沢には初心者でも気軽に体験できる場所がたくさんあり、事前予約をすることで安心して参加できます。以下、金沢で自服体験を楽しめるおすすめのスポットをご紹介します。
<自分でお抹茶をたててみたい!初めての方でも大歓迎!>
兼六園へ向かう坂の下に位置するこちらの施設では、気軽に「お抹茶の自服体験」を楽しむことができます。また、和菓子作り体験や金箔貼り体験など、他の伝統文化も同時に学ぶことができる場所です。
兼六園近くにある町家での楽しいお茶道体験ができます。初めの方歓迎で、海外からのお客様にも人気のプランです。体験の流れとしては、まず講師が点てたお茶を楽しんだ後、ご自身で2服目を点てていただけます。和室の出入り、ご挨拶の仕方、抹茶椀の扱い、抹茶のおいしいたて方など和室での作法も教えてもらいながら、抹茶のおいしい立て方を学べます。
ひがし茶屋街近くの路地にひっそりと佇む「和の時空 町家塾」では、完全プライベートの茶道体験ができます。個別で茶室を貸切にして、茶道の基本をじっくり学びながら、抹茶を点てることができます。日本文化をしっかりと感じられる貴重な時間です。
ひがし茶屋街での濃茶と薄茶の体験ができる場所です。茶室で濃茶と和菓子を楽しんだ後、薄茶と干菓子を味わいながら、茶道の心を感じることができます。「濃茶」を体験できる貴重な体験ができます。
裏千家の祖宗室が指導したといわれる金沢最古の茶室で、庭を見ながら優雅な時間を過ごせます。
金沢を代表する観光地、兼六園内の兼六亭は、かつてお殿様が重要なお客様をもてなした歴史ある場所です。亭主によるお茶の点て方の実演の後、ご自身でお茶を点てる体験をします。茶道の基本や道具の使い方についての解説もあります。
<茶懐石の体験をしてみたい>
「茶事」とは、お茶を愉しむためのパーティーのようなもので、「茶懐石」はその中で提供される軽食のことです。お抹茶「薄茶」を飲むことも「茶事」の一連の流れの一つです。正式な茶事では、ホスト(亭主)がゲスト(お客様)に濃茶と薄茶を出し、茶道具やしつらえ、庭園の景色、そして食事など、細やかな演出を通じて心を込めたおもてなしがなされます。この一連の流れは、通常4時間~半日ほどかかり、しっかりとした作法を学んでいないと、滅多に参加することはできません。 しかし、加賀藩の御料理方を代々務めてきた老舗料亭「大友楼」では、初心者でも楽しめるように「茶事」を特別にアレンジしたプランを提供しています。こちらのプランでは、茶道未経験の方でも、茶事の流れを楽しみながら、加賀料理とともに本格的な茶道文化を体験できます。正式な茶事に触れる貴重な機会として、茶道の世界を気軽に楽しむことができるので、茶道に興味がある方にはぴったりの体験です
老舗料亭「大友楼」で堪能する “茶懐石風”加賀料理 (団体用・要相談)
金沢の歴史的な料亭「大友楼」は、加賀藩ゆかりの由緒ある場所で、ここで提供される「茶懐石風」加賀料理は、茶の湯の世界と深く結びついています。大友楼内の由緒ある茶室「一井庵」で、まず薄茶を楽しみ、その後、代々伝わる大友楼の献立をもとにした懐石料理が提供されます。料理には、加賀を代表する伝統的な料理「治部煮」や「鯛の唐蒸し」などが含まれ、加賀の食文化を存分に味わうことができます。
茶事の流れは、数々の作法に基づいて進められますが、茶道の経験がない方でも安心して参加できるように配慮されています。特に、茶道初心者の方には、格式高い茶道の世界に触れながら、ゆっくりとしたペースで体験を楽しむことができるプランです。茶道未経験者でも、茶の湯の奥深さを感じ、和の美を堪能しながら、加賀料理の魅力に触れることができます。
一井庵(いっせいあん)
加賀藩の茶道教授所として使われ、裏千家11代玄々斎が金沢に逗留の際にも訪れた玄々斎の門人「湯川一井庵」の茶室です。金沢の茶の湯文化に触れられる貴重な場所として、2020年から一般公開されています。 築250年の歴史を誇るこの建物は、風格ある佇まいを見せ、訪れる人々を茶道の世界へと誘います。
茶懐石風加賀料理
加賀藩の伝統を受け継ぐ懐石料理を、茶事の流れに沿った形で堪能できる特別なコースです。ここでは、山海の幸をふんだんに使った料理が提供され、若女将が丁寧にお皿に盛り付けてくれます。
特に目を引くのは、九谷焼の大皿に盛られた「鯛の御頭」に熱燗を注ぎ、火をつけてアルコールを飛ばす「鯛の骨酒」。このダイナミックな料理は、加賀藩の武家料理を感じさせる一品で、見た目にも楽しめます。また、茶懐石の流れに沿ったお料理をゆっくりと味わいながら、肩肘張らずに本格的な日本の食文化を体験できることが特徴です。
お茶のイベントに気軽に参加してみたい!
金沢は、歴史的な茶の湯文化が根付いた「茶の湯のまち」として知られています。茶道に馴染みがなくても、金沢では誰でも気軽に参加できるお茶会が一年を通して開催されています。伝統的な茶室で、さまざまな流派のお点前を楽しみながら、和の心を感じるひとときを過ごしてみませんか?
特別な服装や道具は一切不要で、どなたでも参加可能。日本の伝統文化に触れながら、金沢の美しい茶室とともに過ごす贅沢な時間をお楽しみいただけます。
※下記は2024年度現在の情報となり、主催者・会場の都合により変更になる場合があります。ホームページにて最新情報をご確認ください。
百万石茶会
前田利家公の金沢城入城を記念し毎年6月上旬に行われる「金沢百万石祭り」。その開催に合わせて、市内の7ケ所の趣のある会場で催される百万石茶会は、お茶を通して金沢の歴史と文化に触れる絶好の機会です。
■開催時期:6月上旬 百万石祭りの開催にあわせて
■開催場所:旧園邸松向庵・旧高峰家(近江町市場近く)、兼六園時雨亭、金沢城玉泉庵、中村記念美術館耕雲庵・旧中村邸など
ひゃくまんさん茶会
金沢城公園玉泉庵で開催されるひゃくまんさん茶会は、大人も子どもも楽しめる、ユニークな茶会です。石川県のご当地キャラクターひゃくまんさんと一緒に記念撮影ができます。家族や友人と一緒に、楽しく参加できるイベントです。
■開催時期:8月上旬
■開催場所:金沢城公園玉泉庵
全国学生大茶会
金沢21世紀美術館や兼六園など、魅力的な会場で、全国の大学茶道部の学生たちが、日頃の練習の成果を披露します。
■開催時期:8月下旬~9月初旬
■開催場所:金沢21世紀美術館松涛庵、中村記念美術館旧中村邸・耕雲庵、閑清庵、松声庵、旧園邸松向庵・旧高峰家・金沢城公園玉泉庵、兼六園時雨亭、しいのきプラザ
金沢城・兼六園大茶会
金沢城と兼六園という、歴史と自然が織りなす絶景の中で開催される金沢城・兼六園大茶会。石川県内の7流派12社中が、日替わりで趣向を凝らしたお点前を披露します。 地元作家の手掛けた新作の茶道具との出会いは、あなただけの特別な一期一会。 伝統と現代が融合する、洗練された茶の世界を体験できます。
■開催時期:10月上旬
■開催場所:兼六園時雨亭、金沢城公園玉泉庵、金沢21世紀美術館松涛庵、中村記念美術館旧中村邸
卯辰山茶会(2年に1度)
卯辰山工芸工房で開催される卯辰山茶会は、工芸と茶道の融合を体験できる、まさに一期一会の特別なイベントです。
石川の匠たちが生み出す、一点ものの美しい茶道具を実際に手に取り、それらで淹れたお茶を味わうことができます。陶芸、漆芸、染、金工、ガラスなど、様々な技法が駆使された茶道具は、どれもが芸術作品そのもの。五感で楽しむ、まさに唯一無二の茶の湯を体験できます。現在2年に1度開催されています(次は2025年開催)。
■開催時期:12月頃
■開催場所:卯辰山工芸工房
これらのお茶会は、茶道の経験がなくても気軽に参加できるように配慮されています。茶室での所作や流派の違いに興味があっても、特別な準備や道具は必要ありません。手ぶらで気軽に参加できます。 普段着で気軽に訪れ、心身ともにリラックスできる空間で、金沢の茶の湯文化を満喫してください。
Column
工芸品が立体で!「金沢ミュージアムプラス」
美術館を訪れても、展示品に触れることはできませんが、デジタルのチカラで、まるで工芸品を手に取るように鑑賞できる「金沢ミュージアムプラス」。金沢市の誇る多彩なコレクションを身近に感じてみませんか。
紹介したスポットをマップで見る
- 茶道・宗友 SOYU
- 茶道・宗友 SOYU
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