ボランティアガイドが案内する金沢の定番観光スポット③「長町武家屋敷跡」
「長町武家屋敷跡」界隈は、武家屋敷の土塀の街並みが人気の散策エリアです。このエリアをボランティアガイド「まいどさん」として案内してくれるのは犀川のそばで生まれ・長町住まいの所村幸子さん。夫の転勤で40年ほど金沢を離れることで身に付けた「外の目線」と「好奇心」を持ち味に、22年前から「まいどさん」を務める大ベテランです。観光案内所となる「長町武家屋敷休憩館」で合流した後、間もなくして所村さんの細やかな目配りも印象的な“推し”スポット巡りが始まりました。
※「まいどさん」は「こんにちは」に近い意味を持つ金沢弁です。
(文・写真/橋詰晋也)
武家屋敷巡りのはじまりは、「二の橋から」が基本形
まずは「二の橋」から始まる基本コースで、土塀の街並み、庭園の緑、「大野庄用水」の流れが調和する光景を楽しみます。「犀川」を水源とし、邸宅の外側を勢いよく流れる用水は元々、さらに幅が広く、深い水路で、高めに位置する土塀の扉は、行商の船が横付けするためにつけられたものなのだそう。ちなみに、一軒一軒の土塀の下部に、水の取り入れ口と吐き出し口がありますが、この口から庭園の池の水を取込み循環しているのだとか。「二の橋」を渡り、路地を進むと、個人の邸宅や、景観に配慮しながらアレンジを施した飲食・ギャラリーなどの施設が続きます。細かく目を配ると、冬用の高下駄の歯に詰まった雪を落とす「ごっぽ石」、「長町街園」の説明看板など、所村さんの解説無しでは見落としていたかもしれないポイントも多々ありました。
実際に踏み込める建物や庭園から、武家の暮らしが見えてくる
武家屋敷のつくりを見るなら「長町研修塾」がおススメ。「長町研修塾」は伝統的建築技法の後継者を育てる「金沢職人大学校」の研修生によって整備された施設で、旧邸宅の敷地内を教材として活用し、母屋の修復と改修、茶室「匠心庵(しょうしんあん)」の建築と露地庭園「山景園」の築庭が手掛けてられており、外から見学が可能となっています。また、お屋敷の門番や奉公人が住み入口を監視した「長屋門」が見学できる「旧加賀藩士高田家跡」でも、厩(うまや)や庭園に入ることができます。
様々な歴史と文化が混在するエリアにも注目
「旧加賀藩士高田家跡」の庭側から外に出ると、目の前には界隈唯一の総合病院となる「聖霊病院」がお目見え。その敷地奥に構える「聖堂」は、スイス人建築家・マックス ヒンデルが日本滞在時に設計した1931年竣工の平屋建て建築で、石川県の文化財に指定。半分畳敷きのめずらしい礼拝堂の室内は、アーチ形、丸型のステンドグラス窓から差し込む光と相まって、独特の風情を醸します。また、病院の隣には武家屋敷とはまた異なる暮らしぶりが見える、足軽飛脚の「石置き屋根」住居2棟を移築した「金沢市足軽資料館」も。「高田家跡」と「聖堂」の中間に位置するため、「長町」の長い歴史、様々な側面を心地よい流れで楽しめます。
人の縁を司る(とされる)貴船明神に祈願!
最後は「鞍月」用水沿いの「貴船神社」へ。せり出した「アカマツ」をくぐって入る際、向かって左側から橋を渡って祈願すると「縁結び」、その逆だと「縁切り」が叶うという、史実に基づいた言い伝えがありますので、入り方にはくれぐれも注意が必要。そして所村さんの案内を受けるまで気づかなかった隠しポイントがもう一つ。橋の架かる歩道が「張り出し」になっているため、実際の用水は倍ほどの幅があり、旅も、人の縁も、「足元」をしっかり見るのが大事だと再認識。所村さん、持参の小道具も使った気配りの解説の数々、ありがとうございました。
Column
ボランティアガイドを頼むには
「長町武家屋敷休憩館」にはボランティアガイド「まいどさん」が常駐し観光案内をしています。少人数のグループにかぎり予約なしでも界隈をご案内いたします。
「長町武家屋敷休憩館」
開館時間:9:00~17:00(12月1日~3月15日は9:30~17:00)
案内時間のめやす:30~60分 *お客様のご要望に応じます。
紹介したスポットをマップで見る
- 長町武家屋敷休憩館
- 大野庄用水
- 旧加賀藩士高田家跡
- 聖霊病院聖堂
- 金沢市足軽資料館
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