金沢は夜景が美しい! 必見の定番スポット&おすすめ夜の散歩エリア5選
金沢は夜景が美しいのをご存知でしょうか? 実は条例まであり、金沢らしい落ち着いた夜の景観が創られています。そんな自慢の夜景を楽しんでいただくために、土曜日を中心にライトアップバスも運行されています。明る過ぎず、程よい暗さの街をめぐれば、昼間とは全く違う風景に出合えます。金沢にいらしたら、ぜひ、金沢に泊まって夜景観賞をお楽しみください。
※ライトアップは一年中楽しめますが、時間は日没から21時か22時までがほとんどです。
ここは外せない! 定番ライトアップ5選
まずは金沢駅兼六園口を出てすぐの鼓門。毎晩、日没から0時までライトアップされ、その間の毎正時(20時00分、21時00分など)には2分間だけ加賀五彩(えんじ、藍、草、黄土、古代紫)をイメージした色に変わります。
国指定重要文化財の尾山神社・神門は和漢洋の3つの様式が用いられ、夜は最上階にはめ込まれた色鮮やかなギヤマンが浮かび上がります。
尾山神社の向かい、主に土曜日に、光と音のショーが繰り広げられる金沢城公園の玉泉院丸庭園は、夜の金沢観光の新定番として人気。
金沢の夜の観光シンボルと呼べるのが、金沢城公園の石川門(国指定重要文化財)。周囲の石垣とともに、暗闇に浮かび上がる姿は印象に残ります。
大正時代に造られたレトロモダンな3連充腹アーチ橋の浅野川大橋。上流の天神橋や梅の橋、下流の中ノ橋とあわせ、情緒あふれる川べり散歩が楽しめます。
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土曜の夜はライトアップバスで夜景観光を!
夜景の美しい金沢を手軽に楽しむなら、代表的なライトアップスポットの周辺にある16のバス停を、約45分で一周する「金沢ライトアップバス」がおすすめ。毎週土曜日およびとGWなどの特別運行日に、金沢駅始発19時〜22時30分金沢駅着まで、15分間隔で運行されます。車窓からはもちろん、気になるポイントでは途中下車してライトアップ観賞をお楽しみください。
デートにもおすすめ! ロマンチックな夜景が楽しめる人気スポット
高台から「金沢の夜景が見たい!」という方におすすめ、手軽に行ける夜景スポットを紹介します。
まずは金沢駅西口からバスで8分の石川県庁。19階に展望ロビーがあり、日本海や白山連峰、さらに富山県の立山連峰も望める眺めの良さ。夜は20時(1〜3月の平日は19時)まで開館していて、天気が良い日は日本海に沈む美しい夕日も眺められます。
ひがし茶屋街の奥に続く卯辰山(うたつやま)は、金沢屈指のビューポイントとして有名。おすすめのポイントは望湖台と見晴らし台、眺望の丘の3つ。路線バスは日中しか走っていないので、タクシー利用か、ひがし茶屋街から一番近い眺望の丘まで、歩いて20〜30分ほどで登ることもできます。街の明かりだけじゃなく、天気によっては星空や、運が良ければ日本海に浮かぶ漁火も見られるのも魅力です。
さらに、金沢駅から車で約30分、自然豊かな銀河の里キゴ山からは、こちらも天気が良ければ、街の明かりと漁火、その上にはきらめく星が見られます。しかも振り返れば、満天の星が広がり、夜景プラス天体観測もできる、とても贅沢な場所です。
おすすめ夜の散歩エリア❶ 金沢21世紀美術館界隈
市街地で夜の散策が楽しい5つのエリアを紹介していきます。まずは、香林坊から金沢21世紀美術館周辺へ。
繁華街で夜もまばゆい香林坊から、広坂通りを兼六園方面へ進めば、左手にレンガ造りでクラシックな石川四高記念文化交流館や石川県政記念しいのき迎賓館、その先にはライトアップされた金沢城の石垣が浮かび上がっています。また金沢21世紀美術館の周囲には、美術館の明かりと街灯に照らし出された屋外の恒久展示作品が点在しています。
なお、石川四高記念文化交流館のレトロ体験室などは21時まで、しいのき迎賓館と金沢21世紀美術館交流ゾーンは22時まで開館していて、いずれも無料で利用できます。歩き疲れたら、ひと休みにもおすすめ。
おすすめ夜の散歩エリア❷ ひがし茶屋街・主計町茶屋街界隈
昼間多くの観光客でにぎわうひがし茶屋街は、17時を過ぎるとカフェや雑貨店は多くが営業を終了し、ガス灯に灯が灯り幻想的な雰囲気へと変化します。路地へも足を踏み込めば、古い街並みに溶け込んだムード満点のレストランやバーなどもあり、立ち寄ってシックな夜のひと時を楽しんでみてはいかが。
浅野川に面した主計町(かずえまち)茶屋街では、迷路のような路地の奥に「暗がり坂」や「明かり坂」と呼ばれる雰囲気のある坂道が現れます。このエリアでは登録有形文化財の浅野川大橋をはじめ、木造風の梅ノ橋と中の橋、流れるような曲線の天神橋と、浅野川にかかる橋はそれぞれ趣があるライトアップされていて、これらをめぐるのも楽しみです。
おすすめ夜の散歩エリア❸ 長町武家屋敷跡から尾山神社、金沢城公園
夜の長町武家屋敷跡は、角からお侍さんが出てくるんじゃないかと錯覚するほど、タイムスリップした気分が味わえます。ここは繁華街に隣接していますが、静かな住宅街の中にあります。長町武家屋敷跡から尾山神社へ向かうと、遠くから5色のギヤマンが輝く神門が目をひきます。かつては日本海を通る船の灯台の役割も果たしていたということも納得。
玉泉院丸庭園のライトアップ日ならば、さらに足を伸ばして、尾山神社からライトアップされた鼠多門(ねずみたもん)橋を渡り、鼠多門をくぐれば、そこは金沢城公園・玉泉院丸庭園。周囲の石垣や国指定重要文化財の三十間長屋も含め、音楽に合わせて色とりどりにライトアップされる約7分間の演出をお楽しみいただけます。
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金沢のまちなかで、幻想的なホタル観賞
「水の都」とも称される金沢では、6〜7月にはまちの中心部でもホタルを観察することができます。主な観察スポットは、金沢城外濠公園白鳥路、兼六園、長町武家屋敷跡など。シーズンになると白鳥路では観察会が、兼六園では夜間無料開放も実施されます。
おすすめ夜の散歩エリア❹ 犀川大橋から桜橋、にし茶屋街界隈
金沢随一の夜の繁華街・片町に隣接するこの界隈は、文豪・室生犀星や大正時代のベストセラー作家・島田清次郎、中原中也、井上靖など、一時代を築いた作家に深いゆかりがあります。小説の中の世界にさまよい込んだかのような、心に残る夜の散歩ができるかもしれません。
ライトアップされた犀川大橋から、一つ上流に架かる桜橋へ続く道は、かつて室生犀星がこよなく愛した散歩道で、犀星のみちと名付けられています。途中にはガス燈が点る桜並木の川べりでどこか懐かしいムードが。井上靖の自伝小説『北の海』に登場するW坂もライトアップされ、坂の上からはまちの中心部の夜景が見えます。島田清次郎が暮らし、犀星の作品にもしばしば登場するにし茶屋街も、夜のとばりがおりると妖艶なムードに。
おすすめ夜の散歩エリア❺ 本多の森公園周辺
日本海側初となる国立美術館で、日本で唯一の国立の工芸専門美術館の国立工芸館がオープンし、注目が集まる本多の森公園エリア。白亜の国立工芸館の建物は、明治時代に建てられた2つの国登録有形文化財の旧陸軍施設を移築したもので、ライトアップされると気品のある姿がいっそう際立ちます。
隣接するいしかわ赤レンガミュージアム(石川県立歴史博物館・加賀本多博物館)は、旧陸軍の兵器庫だった建物で、国指定重要文化財。こちらもライトアップされ、国立工芸館との対比が印象的です。国立工芸館の前、兼六園に隣接する前田家の奥方御殿・成巽閣(せいそんかく)も2021年末からライトアップが始まり、海鼠(なまこ)壁が暗闇に優美な姿を浮かび上がらせます。