“石垣の博物館”金沢城のおすすめ石垣10選
ちょっとディープな城巡り
兼六園の向かいにある石川門がシンボルの金沢城公園。見どころはたくさんありますが、忘れてはいけないのが石垣です。その種類の多さや美しさから「石垣の博物館」と言われます。ここでは城内で特に見逃せない10の石垣をピックアップします。
石積みの基本がわかる3選
石垣の石の積み方には、主なものとして自然石積み、粗加工石積み、切石積みの3つがあります。この違いが分かると、石垣めぐりはいっそう楽しくなります。それぞれの積み方を代表するのが、① 東の丸北面石垣(金沢城で数少ない初期の姿を伝える自然石積み)、②二の丸北面石垣(加賀藩の石垣技術者がほめたたえた粗加工石積み)、③河北門石垣(切り石を隙間なく積む切石積み。復元された美しい石垣)。
石垣の博物館を代表する必見4選
色紙短冊積みなどさながら石垣の美術館のような④玉泉院丸(ぎょくせんいんまる)庭園に面した石垣群、左右で組み方が違う⑤石川門の石垣、縁取りだけきれいにして内側を粗いままにした⑥三十間長屋石垣、赤と青の戸室石(とむろいし)がモザイク模様となった⑦橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)石垣などは、金沢城を代表する表情豊かな石垣風景です。石垣の細部にまでこだわった加賀藩の美意識の高さが垣間見えます。
ぜひ探して欲しい!珍しい石垣3選
よく観察すると、興味深い発見がいっぱいあるのも金沢城の石垣ならでは。⑧土橋門石垣には防火の願いがこめられた六角形の亀甲石が組み込まれ、長方形の石が整然と積み上げられた⑨数寄屋敷(すきやしき)石垣の石の表面にはたくさんの刻印が見られます。石の隙間に平らな石をはめ込み切石積み風になっている⑩戌亥櫓(いぬいやぐら)石垣から本丸園地へと続く石垣には、火事で溶けた屋根の鉛が付着した跡や、旧陸軍が造ったレンガのトンネルも発見できます。
ボランティアガイドと回ればもっと面白い
今回紹介した10のポイントはいずれも城内にあり、1~2時間あれば見学できます。石川門入口休憩所で待機している「城と庭のボランティアガイドの会」の方に頼めば、金沢城公園を案内してくれます。金沢城の歴史や文化、そしてもちろん石垣ことも、じっくり説明を聞きながら観光したいという方におすすめです。一緒に回れば金沢城のツウになれます。
【金沢城と兼六園―ボランティアガイド】
◆活動時間
3月1日〜12月28日 毎日 9:30〜15:30 (案内終了)
1月5日〜2月末日 土日のみ 9:30〜15:30 (案内終了)
※事前予約は行っておりません。
◆ガイド料
無料
ライトアップされた石垣も美しい
金沢城公園・玉泉院丸庭園は、毎日夜9時まで夜間開園を実施。ライトアップされた石垣は昼間とは全く違う表情を見せてくれます。金沢にいらしたら、夜の石垣めぐりもぜひどうぞ!
【金沢城公園―金沢城公園・玉泉院丸庭園ライトアップ】
◆実施日
ホームページをご覧ください。
◆実施時間
日没から午後9時まで
◆料金
無料
<文・写真 北陸ライター 若井憲>