加賀八家　菩提寺をめぐる

慶長4年(1599)に、２代利長と共に高岡から移転。加賀八家の一つ長家の菩提寺であり、６代善連、７代連起、８代連愛ら一族が葬られています。長連龍の娘で、利長の養女となり、前田美作守直知の継妻となった久香院(求光院)の墓もあります。

前田長種家の菩提寺。長種は創建した長定の嫡男で、初代利家の長女・幸姫をめとり、従五位下対馬守に任ぜられました。山門は薬医門、脇塀付桟瓦葺で、慶安年間に近いものと見られます。精巧かつ華麗な朱塗厨子「厨子入舎利塔」があります。

野田山に続く大乗寺山の山すそにあります。弘長3年（1263）年に永平寺の3代目祖師・徹通義介禅師が開いた曹洞宗の寺です。永平寺と總持寺を本山とし、約700年もの間、守護・富樫氏や加賀藩筆頭家老本多家の帰依を受け繁栄しました。元禄10年（1697）に現在地へ移転し、境内には仏殿、禅堂などの伽藍が回廊式に建ち、禅の道場らしい清浄閑寂な空気が漂います。

慶長5年（1600）、加賀藩祖前田利家墓守の菩堤寺として建立されました。はじめは野田宝円寺と号しましたが、のち前田利家の戒名を取り、高徳山桃雲寺と改称しました。元和元年（1615）焼失し、芳春院（利家夫人まつ）が晩年に利家の墓参りのための遥拝墓を横手に建立し、その前にて参詣しました。明治2年（1869）再び焼失し、現在では規模の小さいものになっています。利家とまつの肖像画（金沢市文化財）が所蔵されています。

円通山松山寺は、慶長４年(1599)、横山家２代長知が一庵を草創し、融山和尚を招き、元和３年(1617)、現在地に寺地を拝領して建立したのを開創とされています。本堂と山門が金沢市の文化財に指定されています。本堂は、正面桁行九間（実長十一間）、梁行七間（実長八間）と規模が大きく、屋根は寄棟造平入り、桟瓦葺きとし、正面に向唐破風造の向拝を設けています。山門は、切妻造、桟瓦葺きの一間一戸薬医門です。化粧棟木に打ち付けられている棟札に、文政５年（1822）、「再建惣門」とあり、建立年代が判明しています。装飾性を抑えた、木太く重厚な造りが、加賀八家横山家菩提寺の表構えに相応しい存在感を示し、小立野寺院群の代表的な門として、地区の景観に寄与しています。

加賀八家の1つ、奥村家の家祖であり、加賀藩祖前田利家の片腕として知られる加賀藩の老臣奥村永福（ながとみ）が天正年間（1573〜92年）、利家より寺地を得て建立しました。曹洞宗の寺院で、越中光厳寺八世郷雲州札を寺主とし、万松山永福寺と称しました。