街道の古い町並みを訪ねる

北陸鉄道・石川線の旅 2〜野々市・にし茶屋街エリア〜

北陸鉄道・野町駅から野々市工大前駅まで、石川線を使って沿線を巡るプランです。ゆったり、のんびりローカル線に乗って、古い街道筋の街並みを訪れる小旅行を楽しみませんか。

参考プラン

野々市エリア

加賀藩では、野々市を金沢城下から京都へ向かうときの最初の宿駅として整え、荷物を運ぶための人や馬をいつも準備させていました。北国街道だった本町通りは、今も土蔵や町家が立ち並び、往時の風情を感じさせます。本町2丁目には「旧北国街道」の石碑も立っています。そんな歴史の町でもある一方、金沢市内から電車で約11分の距離にあり、大学が二つもあるなど、金沢のベッドタウン、若者の町という一面も持っています。

野々市市郷土資料館

旧・魚住家住宅を利用した資料館で、散策の休憩にも利用できる施設。建物は幕末の安政年間に現在の白山市に建てられた農村の商家建築で、明治時代に魚住家が購入して野々市市に移築、こんかにしんや肥料を売る店舗兼住宅として使用してきたもの。表構えが平入りの町家で、オエからは妻入構造で田の字型になった、商家と農家の特徴を持つ独特な複合建築になっています。このような町家風農家の建築は、金沢郊外の農村部の街道筋でよく見られるそう。「通りニワ」と呼ばれる土間を通って奥に進むと、昔の農具や生活道具を紹介する展示棟があります。入館は無料、玄関を入ってすぐの土間にはテーブルや椅子もあります。土・日曜限定オープンの「六日町かふぇ」では、コーヒーやランチ、きな粉を使ったスイーツなども楽しめます。

高い天井、太くて立派な柱や梁に圧倒される。

高い天井、太くて立派な柱や梁に圧倒される。

通り庭と呼ばれる土間を通って奥に進むと、資料館の展示室がある。

クーポン提示で、組立てると「のっティバス」になるペーパークラフトがもらえる。

所在地 石川県野々市市本町3-19-24
TEL 076-246-2672
営業時間 10:00〜18:00
休業日 月曜(祝日の場合は翌日)、祝翌日(土・日曜は除く)、年末年始 パーキング 3台
料金 入館無料 HP http://www.city.nonoichi.lg.jp/bunka/kyoudoshiryoukan.html
喜多記念館

国の重要文化財に指定されている喜多家の住宅は、典型的な藩政期の加賀の町家建築を今に伝えます。玄関を入ると広いオエの間に、NHK『美の壷』でも紹介された囲炉裏があります。灰には枯山水の庭にも見える「灰形」が描かれ、北陸の風土に培われた文化と茶の心が息づいています。喜多家は、もとは高崎姓を名乗る越前武士で、貞享3年に禄を離れて野々市に移り住み、油屋治兵衛を代々名乗って油屋を営み、幕末から昭和46年までは造り酒屋を営んできました。現在の母屋は、明治24年に発生した野々市の大火の後に、金沢の材木町から醤油屋の建物を移築したもの。石川県に遺る町家の中でも年代の古い貴重なもので、12代当主の案内で館内を見学できます。間口7間半・2階建て、木むしこ格子や雪よけの土縁、けやき造りの大きな自在鉤、土間の吹き抜けの梁組なども見事です。土間が裏口まで長く延び、奥には酒造りをしていた蔵も残ります。

国の重要文化財に指定されている貴重な町家建築。

入ってすぐのオエの間と、裏口まで続く通りニワ。

囲炉裏の灰に描かれた「灰形」は必見。

所在地 野々市市本町3-8-11
TEL 076-248-1131
営業時間 9:00~16:00
休業日 不定休 パーキング 3台
料金 大人400円、小人200円 HP http://digitalmuseum.city.nonoichi.ishikawa.jp/modules/plist2/index.php?page=detail&lid=1
のっぽくん – organic & fairtrade market

オーガニックで心地よい暮らしを応援するお店。1階は契約農家が作る新鮮で安心な野菜をはじめ、抗生物質を使わないお肉、天然素材にこだわってセレクトした調味料や食材がずらり。お店で扱う食材を使ったお弁当、ドリンクやスイーツも販売しています。2階にはフェアトレードの衣類を中心に、子供服やアクセサリー、雑貨などが揃います。お昼時には満席必至のカフェもあり、お肉を使わないビーガン料理とは思えない食べ応えと満足度の高いランチが大人気。少し時間をずらして訪れると、ゆっくり食事が楽しめそう。オーガニックコーヒー、梅醤番茶、ビーツやローカカオなどをトッピングできる玄米甘糀バナナスムージーなど、美味しくて身体も喜ぶドリンクは、カフェでもテイクアウトでも楽しめます。

ボリューム満点の「のっぽくんランチ」(1,528円)。メイン2品、おかず3品、スープ、玄米ご飯、サラダ、ケーキ、ドリンク付き。

1階の食品販売フロア。

1階の食品販売フロア。

2階は衣類・雑貨の販売とカフェ。

2階は衣類・雑貨の販売とカフェ。

所在地 石川県野々市市本町2-1-1
TEL 076-246-0210
営業時間 10:00~19:00
(ランチ11:30~14:30、カフェ10:00~19:00)
休業日 第3月曜 パーキング 30台
HP http://noppokun.co.jp/
かねこ結納品店

創業50年、3代にわたって丁寧な技と仕事で多くの方の結納をサポートしてきた結納品の専門店。結納に関するしきたりなどの相談にも、親切に応えてくれます。一度きりの結納で大役を果たし終える豪華な水引細工を、羽子板に生まれ変わらせてくれるのも素敵なアイデア。結納品に欠かせない伝統の水引細工を、日常の暮らしにも取り入れてもらおうと、金子佳代さん&昌代さん姉妹が始めた水引アクセサリーも人気です。オリジナルのご祝儀袋も、色とりどり、さまざまなデザインの水引細工が揃います。

「かねこ結納品店」の金子姉妹。現代の暮らしになじむ、水引の使い方なども提案している。

オリジナルの水引アクセサリー、ご祝儀袋は種類も豊富。

所在地 石川県野々市市本町2-13-5
TEL 076-248-0222
営業時間 9:00~18:00、日曜10:00~16:00
休業日 祝日 パーキング あり
HP http://yuinou-kin222.ocnk.net
野々市・まち歩きキーワード
#金沢工業大学 ライブラリーセンター PMC
金沢工業大学のライブラリーセンターでは、全国の愛好家から寄贈されたロックやジャズ、ポップス等をはじめ、あらゆるポピュラー・ミュージックを収集しています。このコレクションを視聴するための高性能の音楽関連機器も備えられ、学生はもちろん、一般も利用することができる注目スポットです。
>> 音楽をめぐる旅 Vol.2「金沢工業大学 ライブラリーセンター PMC」
#のっティ
もともとはコミュニティバスのキャラクターで、現在は市の公式キャラクターになっています。北陸鉄道・野々市工大前駅から本町方面へは徒歩で約10分、コミュニティバスだと約3分で運賃100円。バスは4ルートを循環しているので、往路は中央ルート、帰路は北部ルートを利用すると便利です。
にし茶屋街エリア

金沢には浅野川沿いの「ひがし茶屋街」「主計町茶屋街」、そして犀川そばの「にし茶屋街」の三つの茶屋街があります。「にし茶屋街」は「ひがし茶屋街」に比べてエリアは狭いですが、料亭が軒を連ねて趣ある一角を作り上げています。しゃれた和菓子屋やカフェなどもあり、夕刻には出格子が美しい茶屋様式の家並みから三味線の音色が聞こえ、通りを歩くだけでも風情があります。

甘納豆かわむら

2001年にオープン以来、茶屋街の芸妓さんの口コミで広まり、多くの人に愛されている甘納豆の専門店。一粒ひと粒が宝石のように美しい甘納豆は、厳選した豆のみを使い、保存料は不使用、砂糖も控えめ。大納言小豆やえんどう豆、花豆のほか、ひよこ豆や大豆、虎豆など、和菓子では珍しい豆を使った甘納豆も揃います。小袋タイプは常時20種ほどが店頭に並び、ここでしか買えないレア感もあって、旅のお土産として大人気。茶屋建築をリノベーションした建物の2階はカフェで、こだわりの豆を使ったネルドリップのコーヒー、豆茶のほか、ゆずソーダや日本酒などが味わえる。1階ショップの奥には、工房とスイーツスタンド「MAME ノマノマ」があり、フレッシュなフルーツを使った最中やドリンクがテイクアウトで楽しめます。

パッケージのかわいらしも人気の秘密。季節ごとに色が変わる「豆壺」もキュート。

小袋入りの甘納豆や糖菓子は種類も豊富、サイズやもお値段もお土産にぴったり。

小袋入りの甘納豆や糖菓子は種類も豊富、サイズやもお値段もお土産にぴったり。

店内奥にあるテイクアウトの「MAME ノマノマ」や蔵・工房なども要チェック!

店内奥にあるテイクアウトの「MAME ノマノマ」や蔵・工房なども要チェック!

所在地 石川県金沢市野町2-24-7
TEL 076-282-7000
営業時間 平日9:30~18:00、
日曜・祝日9:30~17:00、
カフェ9:30~16:30LO
休業日 第1火曜 パーキング 4台
HP http://kawamura.luna.weblife.me
落雁諸江屋 にし茶屋菓寮

嘉永2年創業、落雁の名店と知られる老舗和菓子店「諸江屋」。本当に美味しいものを味わって欲しいと、にし茶屋街店の奥には甘味処「茶寮 味和以(あじわい)」もあります。小さな庭を望む落ち着いた店内で、季節の上生菓子や干菓子、能登小豆ぜんざい、白ごましるこ等を味わいながら、ほっと一息。このお店を訪れたら、ぜひ注文したいのが自分でお餅を焼いて、ふっくら、つやつやに炊き上げた能登大納言と一緒にいただく「能登大納言ぜんざい」。夏は宇治金時のかき氷もおすすめです。旅のお土産には代表銘菓の落雁「わび」を引き出し形の小箱に詰めたものや、懐かしいおとぎ話の主人公たちを描いた包みに入った葛湯「オトギクヅユ」も人気です。

にし茶屋街の通りの入口にある、落雁の名店「諸江屋」。

「諸江屋」は金沢を代表する落雁の名店。

落雁などの干菓子から、季節のお菓子まで多彩に並ぶ店内。

店の奥にある甘味処「茶寮 味和似(あじわい)」。

自分でお餅を焼く楽しみも味わえる「能登大納言ぜんざい」。夏は宇治金時のかき氷もおすすめ。

所在地 石川県金沢市野町2-26-1
TEL 076-244-2424
営業時間 10:00〜18:00(冬季17:30)
休業日 火曜(祝日の場合は翌日) パーキング 6台
HP http://moroeya.co.jp/archives/277
にし茶屋街・まち歩きキーワード
#西茶屋資料館
にし茶屋街には4軒のお茶屋があり、金沢の三大茶屋街で最も多くの芸妓さんが所属しています。茶屋街の奥には無料で見学できる「西茶屋資料館」があり、2階には当時のお座敷が再現されています。もとは「吉米楼」というお茶屋の建物で、大正時代の大ベストセラー作家・島田清次郎が幼少期に暮らした場所でもあり、1階では島田清次郎を紹介する常設展示も行われています。
#西茶屋検番
茶屋建築の街並みの奥に、ひときわ目立つ水色の外壁の洋風建築があります。これが大正11年に芸妓衆の稽古場と管理事務所として建てられた「西検番事務所」で、平成15年に国の登録有形文化財にも指定されています。木造2階建てで、玄関ポーチはアーチ状、庇に飾り板も設えられるなど、当時の洋風建築の要素が取り入れられています。ひがし茶屋街、主計町茶屋街の和風の検番に対し、にし茶屋街はかなりモダンな一面を見せています。
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