朝こそ金沢の素晴らしさに出会える時

地元の人やリピーターには「金沢は朝が一番好き」という人も多数。今回は、そんな朝の金沢を満喫できるスポットをご紹介!ちょっぴり早起きして散策したり、朝からグルメを楽しんだり。定番観光地も、朝に訪れたら全く違う光景に出会えることも。ガイドブックには載っていない耳より情報も要チェックです。

早朝は入園無料!兼六園散策

金沢の定番観光スポットとして大勢の観光客で賑わう「兼六園」ですが、実は早朝に無料開放されていることをご存知ですか? 3・9・10月は5時から、4~8月は4時から、11~2月は6時から、それぞれ開園の15分前まで無料で入園することができます。すがすがしい早朝の兼六園は静けさに包まれ、人影もまばら。徽軫(ことじ)灯籠など人気の撮影スポットも、独り占めできるかも。早朝無料開放では、蓮池門口・随身坂口のみ開門しています。

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雪吊り

兼六園の雪吊りは、雪国金沢を代表する風景。北陸の雪は湿って重いため、枝が雪の重みで折れないように支柱を立て、縄で枝を吊るのです。円錐状に延びる縄が描き出す美しさは、凛とした寒さの中でひときわ風情を醸し出し、冬の金沢を印象づけます。雪吊り作業がスタートするのは毎年11月1日。3月中旬まで雪吊り風景を見ることができます。

グルメの宝庫、近江町市場で朝食を

プロの料理人から主婦まで、地元で“おみちょ”と親しまれている「近江町市場」。朝獲れ鮮魚から旬の野菜や果物まで、あらゆる食材が集まるグルメの宝庫です。買い物なら品揃えが充実している朝が狙い目。また市場内には飲食店も多く、朝7時台から開店している寿司屋や海鮮料理店も。ランチタイムは行列ができることも少なくありませんが、朝なら混雑もなくゆっくりと海鮮グルメを楽しむことができます。近江町市場で朝ごはん、おすすめです!

犀川河川敷で、朝日を浴びながらお散歩

豪快な流れから“おとこ川”とよばれる犀川。市街地を流れる川でありながら、鮎も棲む清流に水鳥が集い、春は桜、秋は紅葉と四季折々の自然を感じられる憩いの場として市民に親しまれています。河川敷は緑地整備されており、空気が澄んだ朝は絶好の散策&ジョギングコースに。金沢市随一の繁華街、片町のほど近くにある犀川大橋と上流の桜橋の間は、のんびり歩いても15分ほど。早起きして散策を楽しみませんか。

自然豊かな卯辰山で、朝の清々しい眺望を満喫

金沢市街の東にある標高141mの卯辰山には、約100種20万株の花菖浦が栽培される「卯辰山花菖蒲園」や、城下町を一望する「望湖台」などがあり、一帯が公園として整備されています。早朝の卯辰山を散策する健脚さんには、天神橋そばの帰厚坂(きこうざか)遊歩道から登るのがおすすめ。加賀藩最後の藩主・前田慶寧が卯辰山開拓を行った慶応3年(1867)に造られた由緒ある坂道です。花菖蒲園を経て望湖台まで歩いてみましょう。

由緒あるツツジが咲き誇る彦三緑地

彦三(ひこそ)は、藩政時代に上級武士たちが邸宅を構えていたエリア。住宅街の一画にある「彦三緑地」は加賀藩士・遠田家の屋敷跡に整備された小さな庭園で、花の名所として知られています。加賀藩主から拝領したという“遠田のつつじ”をはじめ、72種約1400本のツツジ、13種約80本のボタンが植えられており、5月上旬が見頃。土蔵を改装したツツジ資料館もあります。開園は8時。人も少ない朝なら、美しい花を独り占めできそうです。

醤油の香り漂う町を抜け、静かな朝の金沢港へ

朝の爽やかな潮風が吹き抜ける金沢港周辺へ、足を延ばしてみましょう。金沢港にほど近い大野エリアは、日本の五大醤油生産地として知られる港町。醤油蔵や風情ある出格子の町家が軒を連ね、ほのかに醤油の香りが漂います。金沢港ではクルーズ人気の高まりとともに客船の寄港が増えており、朝もやの中にゆっくりと姿を現す豪華客船を出迎えるのもロマンチック。海辺をのんびりと歩く朝は、深呼吸したくなる爽快なひとときです。

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大野醤油

およそ400年前に和歌山で醤油醸造を学んだ直江屋伊兵衛がこの地で醤油造りを始め、最盛期には60軒以上の醤油蔵が立ち並んだ大野地区。今も多くの醤油蔵で伝統の大野醤油が醸造されています。界隈では蔵を改装したショップやカフェもあり、醤油やドレッシングなどはお土産にもぴったり。名物の醤油ソフトクリームも人気があります。